糖尿病の分類は、発病の原因(インスリンの作用が不足する原因)による分け方と、病気の状態(インスリン作用不足の程度)による分け方があります。
発病の原因(成因)による分類では、1型糖尿病、2型糖尿病、その他特定の型(原因遺伝子異常が解明されたタイプのものや糖尿病とは関係ない病気の影響による糖代謝異常など)、および妊娠糖尿病に分けられます。
病気の状態(病態)による分類では、インスリン依存状態とインスリン非依存状態に分けられ、インスリン非依存状態はさらに、高血糖是正にインスリン療法が必要な状態(インスリン分泌はある程度残っているので生存のためにインスリン療法が必須なわけではないが、インスリン療法以外では十分な血糖コントロールができない状態)、インスリン療法が必要ない状態(食事療法や運動療法、または経口薬療法で血糖コントロール可能な状態)に分けられます。
なお、以前は IDDM(insulin dependent diabetes mellitus, インスリン依存型糖尿病)と NIDDM(non-insulin dependent diabetes mellitus, インスリン非依存型糖尿病)という分け方がありました。この分け方は、現在の病気の状態による分け方と同じ意味で、IDDM はインスリン依存状態(おもに1型)、NIDDM はインスリン非依存状態(おもに2型)に該当します。
糖尿病の成因による分類とインスリン作用不足の程度による分類の関係
・右向きの矢印は糖代謝の悪化、左向きの矢印は糖代謝の改善を表しています。
・波線部分は、その状態になることが少ないことを表しています。
〔日本糖尿病学会「糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告」より〕