糖尿病療養指導鈴木万平賞の今年度の表彰式が10月14日に行われた。今年度は、関西電力病院総長の清野裕氏、H.E.C.サイエンスクリニック理事長の平尾紘一氏の二名と、施設として朝日生命成人病研究所附属医院が受賞した。
鈴木万平糖尿病財団は、故 鈴木万平氏(元三共株式会社取締役社長・会長、元参議院議員)の遺志に基づき、糖尿病学の推進に資することを目的に発足した公益財団法人。毎年、国内褒章「糖尿病療養指導鈴木万平賞」として、糖尿病療養指導に積極的に取り組んでいる個人や団体・施設等を顕彰している。日本糖尿病学会、日本糖尿病教育・看護学会、日本病態栄養学会、日本糖尿病協会が推薦し、審査委員の審査を経て受賞者が決定する。
このたび今年度(第9回)の受賞者が発表され、以下の各氏・施設が受賞。10月14日、都内で表彰式が行われた。
清野裕氏(関西電力病院総長)
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清野裕氏 |
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昭和48年に糖尿病の患者会を発足させ、同60年から30年間にわたり日本糖尿病協会の活動を主導。日本糖尿病療養指導士認定機構の設立を支援するとともに、各地の地域糖尿病療養指導士組織の結成にも関わってきた。平成10年には食事療法の担い手である管理栄養士の育成のため日本病態栄養学会を創設し、栄養指導を中心とした腎症の重症化予防にも貢献。近年においても日本糖尿病協会に登録医制度を設けて診療や教育に関する知識の標準化を進める一方、プルーライト等のイベントを通じて「世界糖尿病デー」の普及に努めるなどの業績が評価された。
平尾紘一氏(H.E.C.サイエンスクリニック理事長)
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平尾紘一氏 |
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昭和40年代に患者会「糖尿病友の会」の基礎を築き、患者さんに寄り添い会の発展を支援。その一方では研修用施設を設けて定期的にさまざまな教室を開催してきている。また国際糖尿病連合の総会にて、発展途上国ではインスリン注射薬が高額等の理由で糖尿病の患児の多くが満足な治療を受けていないとの情報に接したことを契機に、「地球規模で糖尿病を考える方(DMハンズの会)」を設立し援助を続けている。神奈川県糖尿病協会においても中心的な役割を担ってきており、これらの業績が評価された。
朝日生命成人病研究所附属医院
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朝日生命成人病研究所附 属医院所長の岩本安彦氏 |
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ジョスリン糖尿病センターをモデルに療養支援体制を確立した国内施設の嚆矢であり、わが国の糖尿病療養指導の発展に大きな影響を与えてきた。同院の教育入院や糖尿病教室の教育体系は、他の多くの施設が取り入れるモデルとなっている。平成元年にフットケア外来を開設したり、近隣レストランでのメニュー作成協力による栄養指導など、先進的でユニークな試みも多く、このような一連の活動が患者さんの合併症予防やQOL改善に寄与するものとして評価された。
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