糖尿病診療に携わる皆さんに、関連するさまざまなテーマについて述べた記事、専門的な情報を集約し紹介している糖尿病リソースガイドの「糖尿病情報スクランブル」では、このたび、松葉医院院長の松葉育郎先生による新連載「糖尿病診療の目」を公開しましたのでお知らせします。新連載「糖尿病診療の目」へ
新連載「糖尿病診療の目」では、長年、糖尿病専門医として臨床に携わってきた松葉医院院長の松葉育郎先生に、その経験から得られた知識を披露していただきます。
糖尿病医療に長年携わってきた専門医は、どのような視点を持って患者さんの情報を整理・把握し、診療に何を目指しているのでしょうか。糖尿病診療のヒントとして、今後に役立つ知識として、頭の中の引き出しにしまっておきたい情報を定期的にお届けします。
糖尿病診療の目/執筆者プロフィール
糖尿病診療の目「第1回 糖尿病治療の目指すところは?」 (本文より)
来院される方々
糖尿病専門の開業外来で診療に携わっていると、初診で来られる患者さんは、大きくふたつに分けられます。
健康診断で尿糖が見つかり、糖尿病の疑いが指摘されたり、家族が糖尿病で最近、尿量が多くなり、心配だから一度検査をしたいという、初期の糖尿病と考えられる患者さん。
もうひとつは既に糖尿病と診断されて大病院に通院していたが土曜日しか通院できない、転居など個人としての都合で紹介・転院してくる患者さん。そして、なかなか血糖コントロールが良くならない、いくつかの合併症があり、循環器、腎臓専門医、糖尿病専門医へのそれぞれの期待をもち、今より良くしたいという患者さんです。
エッ、治らないんですか?
患者さんが望んでいることは、健康な毎日を過ごしたい、家族と出かけたり、ときには旅行に行き美味しい豪華な料理も楽しみたい、健康であったときと同じ生活をしたいという希望です。
とくに、初めて糖尿病といわれた患者さんから聞かれる言葉には、返事に窮することもしばしばあります。「先生、糖尿病といわれましたが、治してくれるんですよね?治る病気ですよね?検査で引っかかり来ましたが、私はどこも悪くないし、痛くもかゆくもないし、普通に仕事もしています。血糖値が高いなら、それを下げれば良いんですね。下がったら、もう、来なくて良いですよね」
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