国際糖尿病連合(IDF)は、世界糖尿病デーに合わせて、世界の糖尿病有病数の新しい統計値を発表した。それによると、世界の糖尿病有病数は3億7,100万人で、2011年の3億6,600万から500万人増えた。うち1億8,700万は糖尿病と診断されず治療を受けていないという。
糖尿病とともに生きる人の3人に1人は西太平洋地区に集中
糖尿病を早期発見するための鍵となるのは血糖値検査で、治療の基礎となるのは食事や運動などの生活習慣の改善だ。糖尿病の発見が遅れると、目、腎臓、神経に障害が起き、動脈硬化などの重大な合併症が起こりやすくなる。
「世界の糖尿病有病者のおよそ半数は、自分が糖尿病であることを知らない。このことは糖尿病合併症の発症が増え、死亡率が上昇することを意味している。世界糖尿病デーには、糖尿病はコントロールできる病気であり、合併症を予防できることを世界規模で呼びかけている」とIDF会長のジーン クロード ムバニャ氏は話す。
IDFは世界を7地域に分けて統計値を出している。日本を含む西太平洋地区の糖尿病有病数は1億3,200万人(有病率8.0%)で、世界でもっとも糖尿病が多い地域だ。世界の成人糖尿病有病者の3人に1人は、西太平洋地区に集中している。
「糖尿病の増加はもはや流行病(エピデミック)の様相を呈しており、西太平洋地区はその中心地となっている。危機にさらされている人々を保護するために、政府や同じ考えを持った組織が、より多くの対策を講じる必要がある」と、IDF西太平洋地域会長の清野裕氏は述べている。
成人の糖尿病有病者が多い国の世界上位は、1位 中国(9,230万人)、2位 インド(6,300万人)、3位 米国(2,410万人)、4位 ブラジル(1,340万人)、5位 ロシア連邦(1,270万人)。
日本の糖尿病有病者は710万人で、世界第9位だ。糖尿病有病率は5.12%で、糖尿病が原因で亡くなっている人の数は6万2,949人。糖尿病と診断されず治療を受けていない数は351万1000人に上る。
世界糖尿病デーのキャンペーンは毎年11月14日に、国際糖尿病連合(IDF)と加盟組織が主導し、160ヵ国以上の200以上の関連団体により執り行われている。糖尿病の脅威が世界的に拡大しているのを受け、1991年に国際糖尿病連合と世界保健機関(WHO)により制定された。世界糖尿病デーは2007年に国連決議で採択され、正式な国連デーとなった。今年は、5年間のキャンペーン「糖尿病教育と予防」の4年目にあたる。
11月14日の世界糖尿病デーに、世界各地で同時に有名な建造物がシンボルカラーであるブルーでライトアップされた。
World Diabetes Day(国際糖尿病連合)
世界糖尿病デー(世界糖尿病デー イベント実行委員会)
[ Terahata ]