厚生労働省は3日、2008年の人口動態統計(概数)を発表した。糖尿病と関連の深い「心疾患」や「脳血管疾患」による死亡数が年々増えている。
70歳以上の人口は2010万人
日本では少子高齢化がますます進んでいる。2008年の60歳代の人口は前年より68万5,000人増え1,690万1,000人に、70歳代の人口は17万4,000人増え1,261万2,000人にそれぞれ増えた。80歳以上の合計人口も748万6,000人と過去最大になっている。しかし、全体の人口の減少傾向は加速しており、出生数から死亡数を差し引いた「人口の自然増減数」は5万1,317人のマイナスだった。
合計特殊出生率(1人の女性が一生の間に産む子どもの数に近い推計値)は1.37と前年より0.03ポイント上昇したが、出産適齢期の女性の数が3年連続で減っている。20〜34歳の女性で出産は減り、35歳以上で産む人が増える傾向が続いている。また、死亡数は前年比3万4,133人増の114万2,467人で戦後最多となった。
2008年の死亡数・人口10万対の死亡率を死因別にみると、第1位は悪性新生物(がん)(34万2,849人、272.2)、第2位は心疾患(18万1,822人、144.4)、第3位は脳血管疾患(12万6,944人、100.8)となっている。死亡者のおよそ3人に1人はがんで死亡したことになる。
心疾患は1985年に脳血管疾患にかわり第2位となり、その後も死亡数・死亡率ともに上昇傾向を示し、2008年の全死亡者に占める割合は15.9%になった。脳血管疾患は1970年頃までは死亡率が高かったが、1981年には悪性新生物にかわり第2位に、85年には心疾患に代わり第3位になり、死亡数・死亡率ともに低下を続けている。
糖尿病による死亡数は1万4446人(男性7,611人、女性6,835人)で前年より微増した。ただし、この数値には糖尿病によって発症頻度が高くなる心疾患や脳血管疾患などの死亡数は含まれない。心疾患と脳血管疾患を足した死亡数の割合は全体の27.0%に上る。
平成20年人口動態統計月報年計(概数)の概況(厚生労働省)(
HTML |
PDF)
[ Terahata ]