国内のインスリン製剤の製造販売会社3社は、インスリン製剤の誤投与を防ぐため、一部のインスリン製剤の販売名を変更する。
今回の販売名変更は、インスリン製剤の取り違いによる医療事故やヒヤリ・ハットを防止するための対策として、厚生労働省医薬食品局が原則をまとめ、日本製薬団体連合会を通じ関連会社に対応を要請していた。2009年初旬より新しい販売名が表記された製剤に切り替わる
予定。
厚労省のワーキンググループでは、インスリン製剤の販売名について、必要な情報のみを表示し不要な情報は除くことで、できるだけ使用者にわかりやすくし、販売名中の数字は通常は1つとし、多くても2つまでを原則とすることなどを基本とする検討が行われた。
インスリン製剤の販売名命名の原則
1. [ バイアル製剤 ]
「ブランド名」+「製剤組成の情報(R、N等)」+「注」+「100単位/mL」
2. [ カートリッジ製剤 ][ キット製剤 ]
「ブランド名」+「製剤組成の情報(R、N等)」+「注」+「容器の情報(カート、キット等)」
「インスリン製剤の販売名変更について」(日本製薬団体連合会)より
●変更後のインスリン製剤販売名の一覧表は、下記ページで
公表されている。
インスリン製剤の販売名変更について(日本製薬団体連合会)(PDFファイル、医薬品医療機器総合機
構)
調剤薬局でも安全対策を整備
日本医療機能評価
機構は3月2日、全国の薬局から報告された健康被害を引き起こしそうな「ヒヤリ」や「ハッ」とした事例(ヒヤリ・ハット事例)などを収集・分析して、広く情報提供するサイト「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業」の公開を開始した。医療安全対策に有用な情報を、薬局や医療機関だけでなく一般にも公開することで、医療安全対策の推進を図ることを目的としている。
調剤を実施する薬局は、2006年6月の医療法改正で「医療提供施設」として位置付けられ、病院や診療所と同様に、医薬品について安全管理体制を整備することが求められるようになった。そこで同機構は2008年10月より、薬局から報告された医療安全対策にかかわる情報を収集、分析し提供を行う「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業」を開始している。
日本医療機能評価機構
関連資料
医薬品類似性検討ワーキンググループ検討結果
(厚生労働省 第14回医薬品・医療機器等対策部会、2007年11月)
[ Terahata ]