日本透析医学会が毎年実施している統計調査「わが国の慢性透析療法の現況」によると、2007年12月31日現在、国内で透析療法を受けている患者数は27万5119人で、前年度より1万646人増加した。新たに透析療法を開始した患者(導入患者)の数は3万6,909人だった。
- 透析療法を受けている患者のうち、透析を始める原因となった疾患(原疾患)が糖尿病性腎症である患者数は、全体の33.4%にあたる8万7835人(第2位)。第1位は慢性糸球体腎炎の40.4%、第2位は腎硬化症の3.8%。
慢性糸球体腎炎は原疾患の1位ではあるが減少傾向にあり、2007年末では前年より1.8%減少した。一方、糖尿病性腎症は着実に増えており、2007年末は前年より1.1%増加した。
(社)日本透析医学会統計調査委員会「わが国の慢性透析療法の現況(2007年12月31日現在)」
- 2007年の透析導入患者数は3万6,909人。原疾患の第1位は糖尿病性腎症で1万5750人(43.4%、前年より0.5%増)だった。第2位が慢性糸球体腎炎で8721人(24.0%)。腎硬化症は3631人(10.0%)だった。糖尿病性腎症と腎硬化症の割合が増加する傾向が続いており、慢性糸球体腎炎の割合は減少している。
糖尿病性腎症による末期腎不全は、1998年に慢性糸球体腎炎と入れ替わって透析導入の原疾患の第1位になった。それ以来、糖尿病性腎症は一貫して増え続け、2007年には43.4%と半数近くを占めるようになった。一方で、慢性糸球体腎炎による導入患者数は年々減少し、2007年では24.0%となり、統計調査開始から最低の割合になった。
(社)日本透析医学会統計調査委員会「わが国の慢性透析療法の現況(2007年12月31日現在)」
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[ Terahata ]