メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が強く疑われる者と「予備群」は、40〜74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人と推計されることが、厚生労働省の「2007年国民健康・栄養調査」で分かった。
男性40歳以上の56%が「該当者」か「予備群」
調査は2007年の国民生活基礎調査から無作為に抽出した全国の約1万8000人を対象に行われ、約4000人の血液検査結果などから全国民の健康状態を推計。メタボリックシンドロームは40〜74歳の男女人口約5,800万人について年齢階級別に推定した。
40〜74歳のメタボリックシンドロームの該当者は約1070万人、予備群は約940万人、合計で約2010万人。前年調査比で70万人増加した。
国民健康・栄養調査の血液検査では空腹時採血が難しいので、メタボリックシンドロームの診断基準項目である空腹時血糖値と中性脂肪値による判定は行わなかった。「強く疑われる人」の判定は、腹囲が男性85cm、女性90cm以上で、3項目(血中脂質、血圧、血糖)のうち2つ以上の項目が該当する場合、「予備群」の判定は腹囲に加え3項目のうち1つが該当する場合とした。
血糖はHbA
1c値5.5%以上を基準にした。これは、老人保健事業の健康診査で、HbA
1c5.5%以上を「要指導」としているため。また、コレステロール、中性脂肪、血圧などの服薬や、血糖降下薬、インスリンで治療を受けている場合は項目に含めた。
男性の肥満は30年で2倍に
肥満も男性で増加している。男性では全ての年齢階級で、肥満度(BMI)25以上の肥満の割合が20年前、10年前と比べて増加した。1976年は15.2%だったが、2007年には30.4%になり、30年でほぼ倍増した。
一方、女性では30〜60歳代で20年前、10年前と比べ減少したが、20〜40歳代では低体重(やせ)の増加傾向がみられる。
メタボや肥満が増えた要因として考えられるのは、食生活の乱れと運動不足。食事によるエネルギー摂取量の平均値は、10年前に比べ男女ともに年々減少しているが、脂肪をとりすぎている傾向がみられる。エネルギー量の20〜25%を脂肪からとるのが適正とされるが、25%以上とっている人は男性の44.2%、女性の53.4%に上り、2002年のそれぞれ40.0%と49.0%に比べ増えている。
日常生活における歩数の平均値は、男性で7321歩、女性で6267歩で、「健康日本21」の目標値である男性9200歩、女性8300歩に届いていない。
関連情報
【2007年国民健康・栄養調査1】 糖尿病が強く疑われる人や「予備群」は2210万人に
[ Terahata ]