子供の運動能力は20年前と比べ大きく低下し、この10年間は低水準のまま横ばいで推移していることが、文部科学省が発表した「2006年度体力・運動能力調査」の結果であきらかになった。
この調査は文部科学省が1964年から毎年実施しているもので、今回は6歳から79歳の全国の男女計約7万1,200人を対象に実施した。特に小学生の体力について10年ごとの変化に注目して調べた。
6歳から19歳の青少年では、50メートル走、立ち幅とび、ソフトボール投げなどの基礎的な運動
能力や握力は1980年代以降に下がりはじめ、90年代頃に特に低下した。ここ10年ほどは低下のスピードが緩やかになるか、低水準のまま推移している。
一方で、20歳から64歳の成年では、筋力の指標となる握力や、全身持久力の指標となる急歩では大きな変化はなく、敏捷性の指標となる反復横とびではむしろ向上した。
運動不足は肥満や2型糖尿病などの増加の要因になる。体力低下の背景として、全国に乗用車などの交通網が整備され、運動をしない生活習慣が定着したことが、子供に特に影響していると考えられる。
日本を含め世界的に、子供がテレビやテレビゲームに費やす時間が増え、余暇の時間を利用して自発的に運動する機会が減っており、糖尿病など生活習慣病の増加につながるのではと懸念されている。
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「平成18年度体力・運動能力調査」の概要(文部科学省)
関連情報
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9歳から17歳の男子で肥満が1割以上 文科省調査
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[ Terahata ]