徳島県がホームページで公開
徳島県は、12年連続で糖尿病で1年間に死亡した人の比率が全国で最も高いという、不名誉な記録を更新している(厚生労働省「人口動態統計」)。同県は「糖尿病緊急事態宣言」を出し、糖尿病有病者数と予備群の増加を抑えるために、さまざまな試みを行っている
。
1月に「みんなでつくろう! 健康とくしま県民会議」を発足し、設立総会を市内の徳島保健所で開いた。そこで糖尿病など生活習慣病対策として同県が作成した「阿波踊り体操」や、阿波尾鶏など郷土の食材を活用した「ヘルシー阿波レシピ」などを披露した。DVDの配布や、ウェブサイトでの動画の公開も始めた。同県のサイトより動画やレシピをダウンロードすることができる。
「阿波踊り体操」は、徳島の伝統芸能である阿波踊りに注目し、同県の保健福祉部が田中俊夫徳島大助教授に依頼し考案したもの。前半はストレッチを中心に組み立て、後半は男踊りや女踊り、やっこ踊りを取り込んだ。女踊りではももを高く引き上げる動作を行うことで大腰筋を鍛え、男踊りではかかとを前に出し屈伸する動作を取り入れ太ももの筋肉を強くする効果を期待できるという
。
リズミカルなメロディーの音楽に合わせて、楽しく体操を続けられるように考えられている。高齢者が取組みやすいように、テンポを遅くし複雑な動きを省いたシニアバージョンもある。
徳島県の「県民健康・栄養調査」(2003年)によると、「糖尿病が強く疑われる人」と「可能性を否定できない人」を合わせた40歳以上の人は約11万6,000人と、県民の4人に1人の割合。2001年の8.6万人より増加しており、「糖尿病実態調査」(2002年)で概算された全国の1,620万人、6人に1人と比べ高い比率になっている。
県民の1日あたりの歩行数の平均は男性6,507歩、女性5,931歩と、全国の男性7,676歩、女性7,084歩より少ない。肥満率も男性37.2%(27.8%)、女性26.1%(22.2%)と全国平均より高い。乗用車が普及し、運動をする機会が減ったことが、糖尿病死亡率を押し上げる一因になっているとみられている。
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詳細は徳島県のサイトへ
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