適度な運動を続けている人は、運動をしていない人に比べ寿命が約4年間延びるという研究結果が、米国の医学雑誌「内科学紀要」(Archives of Internal Medicine)で発表された。研究は、米国の地方都市フラミンガムで過去40年間、5,200人の住民を対象に実施されている調査研究「Framingham Heart Study」のデータを分析したもの。
50歳以上の男女約5000人を運動量(多い、適度、少ない)で分け、心血管疾患(CVD)などのリスクとの関連を比較したところ、30分間のウォーキングを週5日行っている人は、運動量の少ない人と比べ1.3年から3.7年寿命が延びることが示された。
歩くことで糖尿病患者の死亡率が低下する
ウォーキングと糖尿病患者の死亡率の関連について調査した研究も発表されている。ウォーキングが糖尿病の発症リスクを下げることはよく知られていたが、糖尿病患者の死亡率を低下させるかどうかを調べた研究は少ない
。
この研究は、米国厚生省疾病管理・予防センター(CDC)が毎年行っている国民健康調査「NHIS」(National Health Interview Survey)の1990年と1991年の調査から、18歳以上の糖尿病患者2,896人について、ウォーキングと心血管疾患(CVD)などのリスクの関連を調査したもの。
ウォーキングの習慣がある糖尿病患者では、運動習慣のない患者に比べ死亡率が低下することが明らかで、1週間に少なくとも2時間歩く人では死亡率が39%低下し、心疾患による死亡は34%低下していた。最も死亡率が低かったのは1週間に3時間から4時間歩く人だった。
●詳細は「Archives of Internal Medicine」のサイトへ
Effects of Physical Activity on Life Expectancy With Cardiovascular Disease(英文・要約)
Relationship of Walking to Mortality Among US Adults With Diabetes(英文・要約)
[ ]