日本と香港の2カ国で、2型糖尿病で顕性蛋白尿の出ている糖尿病性腎症患者400人を対象とした試験が進められている。
三共は、アンジオテンシンII受容体拮抗薬「オルメテック」(一般名:オルメサルタンメドキソミル)による糖尿病性腎症の進展抑制の度合いを調べる臨床試験「ORIENT(オリエント)」の被験者の登録が9月末に完了したと発表した。試験は、顕性腎症期の患者を
オルメサルタンメドキソミルを投与する群とプラセボ(擬薬)を投与する群に分け比較するもの。
ACE阻害薬の併用も認めており、アンジオテンシンII受容体拮抗薬とACE阻害薬との併用の有効性についても検証される。試験は日本と香港で2003年より開始しており、2009年に結果を発表するという
。
オルメサルタンメドキソミルは、米国、ドイツ、英国、ブラジル等の世界32カ国で治療に使われており、日本においても「オルメテック」の名称で発売されている。
糖尿病性腎症
糖尿病性腎症は糖尿病3大合併症の1つで、微量アルブミン尿が認められる早期腎症から顕性蛋白尿が認められる顕性腎症を経て、腎不全や透析導入へと進展する。
わが国では、2004年に3万5,000人の患者が新たに透析導入を開始したが、その中で41.3%が糖尿病性腎症を原因としている。糖尿病性腎症が原因で透析療法を始める患者数は増加しており、糖尿病性腎症による新規透析導入患者は1983年は7,459人だったが、2004年には1万3,920人と約2倍に増加した。
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糖尿病性腎症の進行を抑えるために、糖尿病の治療に加え、高血圧などの複合的な治療が求められる。ラットを用いた試験ではオルメサルタンメドキソミルの降圧作用が糖尿病性腎症の進展抑制に有効であると示されたという
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* (社)日本透析医学会 統計調査委員会「わが国の慢性透析療法の現況」より
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詳細は第一三共(株)のサイトへ(ニュースリリース)
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