世界保健機関(WHO)は、世界中で心臓病、脳卒中、がん、糖尿病などの慢性疾患が増大しており、2005年にこれらの慢性疾患で亡くなる数は3,500万人に上り、あらゆる死因の6割を占めるとの推計を発表した。今後10年の死亡者は3億8,800万人と予想されるが、死亡率を毎年2%ずつ低下させれば3,600万人の命が救われるとも試算し、エイズや結核などの感染症を上回る慢性病の拡大に歯止めをかけようと喚起している。
この推計はブラジル、カナダ、中国、インド、ナイジェリア、パキスタン、ロシア連邦、イギリス、タンザニアの9カ国で行われた調査を元に行われた。これらの慢性病による経済的損失も深刻で、中国、インド、およびロシア連邦では、10年間に病気の予防対策を進めれば、
数十億ドルの損失をなくすことができると試算される。2005年から2015年にかけて、例えば中国で5,580億ドル、インドで2,360億ドル、ロシア連邦で3,030億ドルの損失があると概算されている。
WHOの発表では、これらの慢性病を
予防するために、(1)不健康な食事、(2)運動不足、(3)喫煙の3つの悪因を解消することが重要としている。肥満も早急な課題として挙げられており、肥満人口は世界で10億人に上るが、有効な対策を講じない限り2015年には15億人に増えると警告している。
●詳細は世界保健機関(WHO)のサイトへ
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