武田薬品工業は、インスリン抵抗性改善薬(チアゾリジン誘導体)「アクトス®」の大規模臨床試験(治験)の結果を、ギリシャのアテネで開催中の欧州糖尿病学会で報告したと発表した。2型糖尿病患者における心筋梗塞・脳卒中などの心血管イベントの発症と全死亡を減少させることが明らかになったという。
この治験は欧州19カ国で、心血管疾患にかかっている糖尿病患者5238人を対象に実施された。アクトス®とプラセボ(偽薬)を投与し心筋梗塞、脳卒中の発症や死亡までの期間を比較したところ、アクトスを投与された患者は偽薬に比べ期間が長く、発症率に換算すると16%低下した。
アクトス®は血糖降下作用に加えて心血管疾患の改善にも効果があると考えられていたが、臨床的に立証されたのは初めて。他の経口糖尿病薬ではみられないものであり、作用機序の検証が待たれるとしている。
●詳細は武田薬品工業(株)のサイトへ(ニュースリリース)
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