厚生労働省は、都道府県が策定する医療計画制度の見直しに向けた検討会を開き、がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病など生活習慣病を中心に、全国規模の医療計画の見直しの方向性を示した中間まとめを公表した。
地域の医療機関で行われている診療や、病気になったときに受けられる治療、地域の医療体制の現状と将来像などを、都道府県が作成する医療計画において住民・患者の視点に立ってわかりやすく示すとしている。これにより医療の質を向上させ、結果的に医療費の抑制につながることが期待されている。
受診率や地域連携支援率に数値目標
地域の住民の健康状態に応じて医療機能等の数値(達成)目標が設けられる。各都道府県が数値目標を設定するが、国がこれに先立ち目安となる指標を示す
。
指標となるのは健診受診率、疾病自覚率、有病者の受診率、社会復帰に要する期間、診療科ごとの医師の割合(地域医療カバー率)、地域連携支援率、病気別の死亡率など。その改善プロセスを住民に公表することで、実効性のある医療計画を作成するとしている
。
そのほかに参考となる指標として、セカンドオピニオンを選択可能な施設の割合、合併症罹患率、再入院率、かかりつけ医保有率、電子カルテを用いた医療機関間連携施設数などを挙げてい
る。
医療機関などの役割分担がはっきりした「医療連携体制」
診療所や病院のかかりつけ医を中心に、医療提供機関の機能を明確にしながら「医療連携体制」を
構築することで、いままでの医療機関完結型の医療提供体制から地域完結型への転換を目指していく。
連携体制が実効性あるものとするため、国は全国規模の医療機能調査を実施し、事業ごとに必要な医療
機能を明らかにするとともに、都道府県の取り組みを支援する。
今回の中間まとめは、2006年度予算の概算要求に向けて行ったもので、検討会は9月以降、引き続き検討を進めていく予定。
●詳細は厚生労働省のサイトへ
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[ Terahata ]