おやつとして、どのような食品を選び、どれくらいの量を食べるとよいと思いますか?栄養指導などでも勉強されたかと思いますが、いわゆる教科書では、お菓子や清涼飲料水などの嗜好食品は「原則として糖尿病には好ましくない食品」であり、「飲食する場合には、主治医と相談してから」が原則となっています。摂るとしても食べ過ぎないよう、乳製品や果物を指示エネルギー量の範囲内で摂るよう推奨しています。

 では、いわゆる市販のお菓子やデザートはどうでしょう。日常生活の中で、これらをすべて断つことは難しいのが現実です。糖尿病の食事療法では、食べてはいけないものはないと言われますが、食べる量については必ず調整し、指導を遵守していく必要があります。とくに嗜好食品は、少量であっても、エネルギー量や糖質、脂質を摂りすぎてしまいがちなので、あらかじめ3食を調整して捻出したエネルギー量の範囲内にとどめることが大切です。

 このエネルギー(カロリー)量に加え、食品の選びの有益な情報がその食品に含まれる糖質の量をチェックすることです。糖質は、食後速やかにブドウ糖に変換されるので、血糖上昇に最も大きく影響します。ですから、糖質量の多い食品を食べると血糖値は上がります。またその食品に糖質とともに脂質が多く含まれていれば、血糖値が上昇するだけでなく、下がるのに時間がかかる傾向があると言われています。食品の種類によって、どのように身体へ影響するかについて、知識を持っておくことはとても大切です。糖尿病ネットワークでは、ある患者さんにさまざまなおやつを食べてもらい血糖測定を行った記録を、参考として、ご紹介しています。また、糖質の量ではなく質に注目したGI(グリセミックインデックス、血糖上昇指数)なども参考になるかもしれません。

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