目と健康シリーズ Eye & Health
2015年06月02日
まぶたで体調と先祖がわかる
リラックス アイ:まぶたで体調と先祖がわかる!?
このように厄介なクマがなぜできるかというと、それにはまぶたの構造が深く関係しています。まぶたの皮膚はからだの中で最も薄く、しかも皮膚の下に脂肪がなくてすぐ筋肉です。筋肉は動くたびに酸素や栄養を使いますから、それを供給するために細い血管がたくさん伸びてきています。疲れや体調がよくないときは末梢静脈の血流が悪くなるので、まぶたの静脈も血液が滞りがちになります。そして、その滞った静脈血が、薄い皮膚を通して透けて見えるというわけです。
こうしてできたクマを取るには、まぶたの血流をよくするのが一番。女性ならもうご存じかもしれませんが、冷たいタオルと温かいタオルをかわるがわるあてたり、軽くマッサージしてあげるとよいでしょう。
クマと並び、若い女性に多いもう一つの目の悩みは‘一重〈ひとえ〉まぶた’。鏡を覗きながら「どうして外人さんみたいにパッチリした二重〈ふたえ〉じゃないのかしら」なんて思ったことのある方も少なくないのでは? 実は日本人はまぶたの皮膚が厚く脂肪が欧米人より多いために、二重になりにくいのです。どうやらこれは大昔、日本人の祖先が寒い地域に暮らしていた名残のようで、眼を寒さから守るために厚いまぶたが必要だったという説があります。
最近は美容整形(医学的には整容といいます)に対する社会意識が変わり、気軽に二重まぶたの手術を受ける若い方が少なくありません。アンチエイジング(抗加齢)手術によって自分の‘これから’を変えてみようとする中高年の方も増えています。でも、ひょっとしたらなにか病気が隠れているかもしれないので、こうした目的で手術を受ける前に、一度は眼科医に相談したほうが安心です。
もくじ
特集
- No.1. 目で見る眼の仕組みと病気
- No.2. 糖尿病網膜症
- No.3. 糖尿病黄斑症
- No.4. 高血圧網膜症
- No.5. 網膜静脈閉塞症
- No.6. 網膜動脈閉塞症
- No,7. 加齢黄斑変性
- No.8. 中心性漿液性脈絡網膜症
- No.9. 網膜色素変性症
- No.10. 緑内障
- No.11. 白内障
- No.12. 網膜裂孔・網膜剥離
- No.13. 色覚の異常
- No.14. ドライアイ
- No,15. 屈折異常・調節異常─近視・遠視・乱視・老眼─
- No.16. 子どもの目の病気
- No.17. 結膜炎
- No.18. 角膜の病気
- No.19. ぶどう膜炎
- No.20. 黄斑円孔・黄斑前膜
- No.21. 眼の神経の病気
- No.22. 涙道や涙腺やまぶたの病気
- No.23. 目の外傷
- No.24. 目の病気の手術治療
- No.25. 目の病気の薬物治療
- No.26. バセドウ病と目の病気
- No.27. まぶたの病気とQOL
- No.28. 眼精疲労
- No.29. アレルギーによる目の病気
- No.30. コンタクトレンズ
- No.31. 飛蚊症
- No.32. ロービジョンケア
- 別冊:視神経乳頭の"異常"と"正常"
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