一般的に、「間食」と聞くと、すなわちおやつ(お菓子類)と想像される方は多いかと思います。健康な方が美容や健康のためにダイエットをする際にもよく使いますが、糖尿病の食事療法では、少し違った意味合いも含まれてきます。
実際、間食は「3食以外で、食事と食事の間に摂る食品」を指しますので、そのタイミングに食べる食品すべてが当てはまります。ですから、お菓子であっても、おにぎりであっても、間食なのです。また、インスリン療法を行っている患者さんにとっては、低血糖対策としての「補食」をイメージされる方も多いかもしれません。ここでは、 "おやつ(お菓子類)"としての間食について、糖尿病患者さんがどのように対策していくかを考えてみたいと思います。
さて、「間食」で何を食べるか?ですが、糖尿病患者さんは一般的に、乳製品や果物を指示エネルギー量の範囲内で摂ることが、推奨されています。お菓子や清涼飲料水などの「嗜好食品は原則として糖尿病には好ましくない食品」であり、「飲食する場合には、主治医と相談してから」が原則。やはり、菓子類は少量であっても、エネルギー量や炭水化物、脂質を摂りすぎてしまいがちですので、指示エネルギー量をオーバーして、食事療法がうまくいかなくなったり、血糖コントロールを乱したりと、弊害が多いのも確か。高血糖状態が続くと、合併症が進む原因にもなります。
しかし、これらを一生すべて断つことは難しいのが現実です。ふつうに生活していれば、お菓子やジュースが欲しくなることもあるでしょうし、人に勧められて断れない場面も想定されます。ですから、間食が体にどのように影響し、食べる際はどのように食べたらよいのかを知っておくことは大変重要です。ひいてはそれが、食事療法全体の意識向上へとつながり、治療意欲の向上をも期待できるのではないでしょうか。
間食のせいで血糖コントロールがうまくいかないのはわかっているけどやめられない、HbA1cが改善しないのは無意識に間食を食べていたせいだった、などの悩みを抱えている方は案外多いかもしれません。医療スタッフは、患者さんの間食ライフについて把握しておくとともに、QOLをも含めた対策方法を個々に検討していく必要があります。