本コーナーでは、数多く発表されている海外の運動療法に関する事例から
安全かつ効果的に取り組むため、参考となる論文、リリース等を厳選し、
1分間以内に読める長さを目安に要約してお届けします。
エアロビクス運動が乳がんリスクを低下
適度な有酸素運動によって、閉経前の女性の乳がんリスクは低下すると、ミネソタ大学の研究チームが発表した。研究に参加した391人の女性を、212人の運動介入群と179人の対照群に分けて比較したところ、運動に取り組んだ女性では乳がんの原因となるエストロゲンが低下したことが判明した。運動は、トレッドミル、階段ステッパー、クロストレーナー器機で行い、1回30分の有酸素運動を週5回、16週間続けた。脈拍測定によって、最大心拍数に近づける工夫をし強度を高めることで、運動の効果を高められるという。
Exercise-related Changes in Estrogen Metabolism May Lower Breast Cancer Risk
(米国がん学会 2013年5月7日)
運動不足は「立派な病気」 運動を3ヵ月続ければ体は変わる
運動不足が続くと肥満や2型糖尿病、高血圧、運動器障害などの病気を発症しやすくなる。運動をしないこと自体を「立派な病気」として捉えるべきだと、米メイヨークリニックの医師が指摘している。デスクワーク中心の生活を送っていると、心拍数が上昇しやすくなり、体の筋肉や骨が弱くなり、持久力が低下する。「余暇時間の運動を、まず3ヵ月続けてみてください。心拍数が上がりにくくなり、血圧が低下し、血糖値が上がりにくくなるだけでなく、爽快感も得られストレス対策になります」とアドバイスしている。
Should Doctors Treat Lack of Exercise as a Medical Condition? Mayo Expert Says 'Yes'(メイヨークリニック 2012年8月13日)
中年になったら自分の脈拍数をチェック 健康のバロメーター
中年期における安静時心拍数(安静にしているときの心拍数)の上昇は、心疾患による死亡リスクの増大を示すシグナルとなる。心拍数が1分間あたり85を超えるケースでは、心疾患による死亡リスクが上昇することが、コペンハーゲン市にある企業に勤める中年男性2,798人を対象とした平均16年間の大規模調査であきらかになった。運動を続けていると心拍数は上昇しにくくなり、心臓病リスクは低下する。「家庭で誰でも測定できる脈拍数は、健康のための大切な目安となります」と研究者は指摘している。
High heart rate at rest signals higher risk of death even in fit healthy people(ブリティッシュ メディカル ジャーナル 2013年4月17日)
肥満のある糖尿病女性の運動 脈拍測定で目標を定めると効果的
運動を効果的に安全に行うために、脈拍測定と血圧測定は重要だ。特に女性を対象とする場合は、心拍測定をしっかり行い運動をコントロールすることが必要であることが示された。米ミズーリ州立大学は、肥満のある2型糖尿病患者75人を対象に、16週間の運動プログラムを実施。同じ運動を行っても、男性と女性では体の反応が異なることを、心拍測定などの結果から解明した。
Women Must Do More to Reap Same Positive Health Outcomes as Men, MU Research Suggests(ミズーリ州立大学 2013年6月23日)