< まとめ >
「間食(おやつ)」は、生活に潤いや活力をもたらしますが、食事療法が必要な糖尿病患者さんにとって、その内容や量のコントロールは難しいものです。今回の調査で、糖尿病患者さんの多くが間食習慣を持ち、医療機関から禁止されていても“食べている”という現状をみると、間食指導がうまく行き届いていないことを示唆していると言えるかもしれません。適切な間食指導によって、患者さんの欲求や心の罪悪感との折り合いが上手く解消され、食事療法全体、ひいては療養生活への意欲向上に結びつくことも期待されますので、間食指導について今一度見直してみてはいかがでしょうか。患者さんの悩み、ご意見
- 食べたいものを食べられる幸せには勝てない。
- 一人住まいゆえ、スーパー等に買物の際、つい安くなっていると目が欲しくなり買ってしまいます。常に自宅に何か置いてないと口寂しくなってしまいます。
- 個人の病状に応じて自己判断に任せれば良いと考えている。主治医に訪ねながら細々食べるなんて、ストレスを感じると思う。
- 我慢できないときは種類を選ばない。
- 以前は甘いものは欲しくなかったが、最近甘いチョコやお菓子類が食べたくなって困っている。
- おやつを食べてからの罪悪感との戦いです。
- 血糖をリアルで計れるようにならないと、間食はなかなかやめられないです。2型糖尿病の患者にも、1型のように全額とは言わないので、健保で自己血糖測定の支援をしてほしいです。
- お腹がすいてまうので少量で満足できるお菓子があるといい。
- 買い物に行っても『スイーツ』に目がいってしまう。甘い匂いがするお店が多いので、その近くを通ると泣きたくなる。夕方会社で皆が、おなかすいたーとおやつを食べている時、その現場から離れて、泣いたときもある。
- 自由に食べたりできないことにストレスを感じる。
- 成長期の子供(小学2年生)なので食べるのを禁止することは、他の子供と一緒にいる時は絶対にしたくない。食べすぎが原因ではないので血糖コントロールが良ければいいと思う。
医療スタッフの悩み、ご意見
- こちらの話したことを守る守らないということではなく、しないほうがいいことはわかっているが食べる原因を一緒に探すスタンスが必要であると考えています。
- 一般的に、血糖コントロールが改善された方は、摂取頻度そのものの減少が多く見られる。内容等も、果物や乳製品を上手に利用したり、食べたいものの量をコントロールすることで対応している場合が多い。
- 「診察時、先生には話さなかったんだけど・・・」と、打ち明けてくれることがあります。怒られるかもしれないと思いつつ患者さんが打ち明けてくれたことに感謝します。守れなかったことを責めるのではなく、自分から話すことにより、自身で原因を認識してくれるよう導きます。
- 制限されればされるほど食べたくてしょうがなくなるのであれば、量を決めて、もし食べ過ぎてしまった時には翌日は我慢するなどルールを決めて食べた方が、ストレスは増強しないのではないかと考える。本当に難しいことだと思う。
- 何をどのくらい許可するかが難しい。
- 間食に対して、医師の考えもまちまちで、スタッフ間でも統一性がとりにくいため、目の前の患者さん個々に応じて、また経過を見ながらケースバイケースで行っているのですが、その評価ができず悩んでいました。
- 食べてはいけないという認識が強いので、食べていても食べてないとよく言われる。食べることを許可してもそれがプラスに働く印象は少なく、指導に苦慮している。
<本調査をまとめた冊子も、ぜひご覧ください!>
糖尿病ネットワーク・ネットワークアンケートより糖尿病の間食指導に関する実態調査PDF
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糖尿病ネットワーク編集部