血糖トレンドを知るには。
ここでは、血糖トレンドを調べるために使用する機器の特徴と、あわせて知っておきたい「血糖値」と「間質液中の糖濃度」の違いについて紹介します。
監修:西村 理明 先生(東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科)
血糖トレンドを知るには。
監修:西村 理明 先生(東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科)

「血糖値」と「間質液中の糖濃度」の違い

「血糖値」とは

血管を流れる血液内に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度です。

「間質液中の糖濃度」とは

間質液とは細胞と細胞の間に存在する液体のことです。組織液・細胞間液・細胞間リンパ液とも呼ばれます。ブドウ糖(グルコース)は血管を通って体中に運ばれ、体の末端で毛細血管から間質液、間質液から個々の細胞へと運ばれ、利用されます(下図)。

「間質液中の糖濃度」は、間質液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度のことで、CGMやisCGMでは、これを持続的に測定し 血糖値に換算した値を記録します。

図 「血糖値」と「間質液中の糖濃度」の違い(イメージ)

「血糖値」と「間質液中の糖濃度」の違い(イメージ)

このように、「間質液中の糖濃度」は血糖値そのものではありませんが、血糖値とある程度、相関することが知られており、連続して測定・記録することで、血糖値の変動(血糖トレンド)を推測することに利用されます。

ただし、「血糖値」と「間質液中の糖濃度」には、以下に挙げるような違いがあると言われています。

「血糖値」と「間質液中の糖濃度」の違い

  • 間質液中の糖濃度の変化は、血糖値の変化より遅れる(約5〜10分のタイムラグがあると言われている)
  • 間質液中の糖濃度は、血糖値とまったく同じ値にはならない
  • CGM、isCGMはセンサーを数日〜2週間程度、皮下に刺したまま測定するため、測定結果が異物(センサー)に対する生体反応の影響を受けることがある

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