●運動が大切”なのはわかってるけど、実際なにが変わるの?
ここをご覧になっている方は、すでに運動の重要性は理解されていることと思います。でも、毎日まじめに運動をしていても、その効果を実感できていない人は案外多いのではないでしょうか。同じ運動を行っても、体型、体力、性別、運動した時間、時間帯、運動の頻度など、運動効果は人によって違い、またその時によって変化するので、個々の効果を予測したり、一律の答えを出すことはできないのが現状です。
効果がないなら運動なんて面倒だし疲れるし、毎日なんか続けられない!と思ってしまうのが人の常。どうすると効果が出るのかがイメージできれば、療養生活の励みになるのに・・という声にお応えし、今回、今までありそうでなかった実証実験を行ってみることにしました。
【知りたいこと】
- どんな運動が効果的なの?
- いつ運動すると効果的なの?
- 食事内容の違いで運動効果は違うの?たくさん食べたら、たくさん運動すればいい?
すぐに思いついたよくある3つの疑問。皆さん、どう思いますか?
そこで、これらが血糖変動にどのような効果をおよぼすのかを1つずつ検証してみよう!と糖尿病ネットワーク・運動療法チームが立ち上がりました。一番重要なのは、このような実験にお付き合いいただける被験者探しですが、幸運なことにすぐに見つかりました。
●体育会系の2型糖尿病患者 竹内さん
ストイックに食事・運動療法をおこなってはいるけれど、仕事に家庭に毎日忙しく、なかなか血糖コントロールがよくならないというジレンマに悩んでいた。メーカー勤務で仕事柄、分析することが得意な彼に、ご自身のカラダを分析してもらうことに。
【被験者データ】
- 名前:竹内 順さん(以下、たけさん)
- 仕事:メーカー勤務
- 年齢:52歳
- 性格:自分では雑な性格と思っているが、まわりからはまめだと言われる。
- 趣味:ガラクタ電子機器いじり(秋葉原好きです)
- 運動状況:通勤時や昼食後にこまめに強歩や軽いジョギングを一日30分。
- BMI:19.2(やせ型)
- 糖尿病歴:20年くらい(2型糖尿病)
・・・ 通院歴は15年くらいですが多分その前から糖尿病になっていたと思われるので。 - 服薬状況:グラクティブ 50mg/日 を3年強
- HbA1c:6.5%
●実験をはじめる前に
まずは、この情報ファイルでも解説してきた糖尿病運動療法の基本に準じた形で行うために、慶應義塾大学スポーツ医学研究センターの勝川史憲先生にサポート・監修いただき、下記のような手順で実験を計画、実施しました。
- プロトコルを策定(基本的な測定条件を揃え、検証テーマのみを変化させる)
- 被験者の基礎データを測定(安全性を確認するため運動負荷心電図、
同時に体力レベルの指標として最大酸素摂取量のチェック) - 1テーマごとに条件を変えた複数回の測定(血糖自己測定、心拍数測定)
- 測定データを解析、検証
一般的に、糖尿病患者さんがジョギングなどの強い運動を行う際には、多段階運動負荷心電図でのチェックが推奨されます。たけさんの場合は、長年ジョギングを続けてこられたので、運動療法の中にジョギングを含めますが、念のため、運動負荷心電図のチェックを行ないました。その人がどの程度の強度や時間、運動を行うのがよいかは、主治医のアドバイスにしたがってください。体力測定の際に脈拍数をはかり、その人の至適強度に対応する脈拍数を見いだすことで、安全で効果的な運動プログラムを組むことが可能になります。