East Club 通信  2007年度 第2号  通巻20号
2008年1月26日発行  
 

 22007年度第2号をお届けします。今年度こそ3号まで発行しようと思っていましたが、第2号が今頃になってしまいました。今回は、サマーキャンプ、バーベキューの報告と、正しいインスリン注射の方法です。読者の皆さんからの投稿も大歓迎です。お待ちしています。

TM



 2007年夏のサマーキャンプは奥多摩でした
  ―台風の影響でハードな山歩きに―

 2007年のサマーキャンプは9月8、9日の二日間にわたり奥多摩の御嶽山で行われました。今年は少し参加者が少なく18人でしたが例年通り充実した楽しい会になりました。当初の予定ではは一日目は、ロックガーデンから七代の滝などを散策をするつもりでしたが、台風の影響で立ち入り禁止。急遽予定を変更して御嶽神社の奥の院まで山歩きをすることにしました。ところが、これがきわめてハード。本格的な山歩きを4時間近くすることになってしまいました。しかし、宿に帰ったあと、特に翌朝の充実感と達成感は得難いものでした。素晴らしい旅の思い出となりました。山歩きの後は宿坊「駒鳥山荘」で夕食、そして、宴会。盛り上がったことは例年通りです。翌日は、御嶽山ふれあいセンターの研修室でフリーディスカッションをしました。自己紹介の後、1型糖尿病について、さまざまな問題を語り合いました、お昼前に下山し、奥多摩・旬彩食房「うさぎ庵」で豪華な昼食をいただき、解散しました。初参加の方の中には1型糖尿病に対する見方が変わった人もいたのではないかと思います。1型糖尿病で悩んでいる方は是非次回こそは参加して下さい。 
 

 

バーベキューは今年も大盛況
〜例年通り嵐山渓谷で〜
 East Club恒例のバーベキューは今年も武蔵嵐山の嵐山渓谷バーベキュー場で行いました。昨年同様に60名ちかくの参加がありました。今年は前日に池袋まで買い出しに行き、1人あたり約200gの牛肉に加え、ソーセージやエビ、イカなどを買いそろえたため、食べるものも飲み物もたっぷりの会になりました。糖尿病といえば食事制限、食べたいものも食べられないと誤解している人がたくさんいますが、1型糖尿病は2型糖尿病とは本質的に違います。1型糖尿病ではインスリンを上手に使うことが治療の基本であり、毎日の食事制限(食事療法と食事制限は違います)は必要ありません。食事療法を上手に行うことは大切ですし、太らないように注意が必要ですが、生活にメリハリをつけ、食べたいときには食べて楽しむことも大切です。バーベキューの時にはどのようにインスリンを注射したら良いか。生活にインスリンを合わせる方法を身につけて血糖があがらないようにすることを学んでもらいたい。これが、バーベキューやサマーキャンプを行う目的の1つです。そして、「生活にインスリンを合わせる」ことが、良好なコントロールを長く続けるコツであろうと思います。
 
 

 

East Club 糖尿病教室
〜注射の仕方が間違っていませんか〜
 皆さんは、インスリン注射を始めたときに同じ場所に続けて注射してはいけないことを習ったと思いますが、なぜ、同じ場所に続けて注射してはいけないか知っていますか。同じ場所に注射しているといつの間にかインスリンが効かなくなってコントロールが悪くなることを知っていますか。コントロールが悪い患者さんのなかにはインスリン注射の場所を変えるだけで良くなる人が少なくありません。正しいインスリン注射法はインスリン療法の基本です。
 インスリン注射部位の変更が不十分だと、注射している場所が硬くなったり、皮下組織が萎縮してきます。ペンだこができたり、鉄棒でまめができるようなものと考えてもらうと良いと思います。鉄棒でまめができると痛くなくなるように、そういう場所は注射をしても痛くないことが多いので、つい、またそこへ注射をするようになりますから、皮下組織の変化はますます進行します。そうした場所は、インスリンの吸収が悪くなったり、吸収が不安定になるため、そこへ注射するとコントロールが悪化したり思いがけない高血糖や低血糖を起こすようになったりします。
 まず、注射の場所を変えただけでコントロールが改善した患者さんの一例を示します。
 患者さんは、Oさん。緩徐進行1型糖尿病で19年前からインスリン療法を行っていました。ここ数年間はノボラピッドとランタスによる強化インスリン療法(朝22、昼19、夕19、ランタス夕12単位の1日72単位)で HbA1Cは6%前後を維持していました。2006年8月に HbA1C7.0%、10月には8.4%へ突然の増悪が認められ、12月になっても改善が認められなかったため、注射部位を変えるように指導しました。その結果、それだけで血糖コントロールの著しい改善が認められ、4月には HbA1Cはもとの6%台前半へ改善するとともに、インスリン使用量も朝15,昼14、夕14単位(ランタスは変更無し)と1日55単位へ減量できました(図)。
 現在の強化インスリン療法では1日4回、患者さんによっては5回以上の注射をしています。そうすると、朝は、右の腹部、昼は右の大腿、夕は左の腹部、寝る前は左の大腿と毎回場所を変えているようでも、翌朝は同じ場所に戻ってしまいます。同じ場所には数日間(理想的には一週間)は注射をしてはいけません。右の腹部といっても広いわけですから昨日とは離れた場所に注射をするようにしましょう。
 インスリン注射の基本は、(1) 痛くない場所ばかり選んで注射をしない、(2) 注射するときに抵抗があるところへの注射を避ける、(3) 注射液が皮膚から漏れるような場所への注射は避ける、そして、(4) 時々、注射部位を大きく見直すことです。
 超速効型インスリンに加え、持効型インスリン・ランタス、レベミルと優れたインスリン製剤が次々に発売されています、こうした、優れたアナログ製剤もインスリン療法の基本を忘れては効果を発揮しません。正しいインスリン注射法こそ、インスリン療法の基本です。

T.M.


2007年度第2回講演会のお知らせ

 2007年度第2回講演会を下記のように行います。今回の講師は、東京慈恵会医科大学教授で日本糖尿病学会理事・田嶼尚子先生です。専門医としての豊富な経験と新しい1型糖尿病の治療法として注目されている持続血糖モニタリングなどのお話しを頂けるものと思います。ふるってご参加下さい。

日時:2008年3月8日(土)、午後1時開場
場所:浦和コミュニティーセンター、第13会議室
(浦和駅東口再開発ビル〈浦和パルコ〉10階、TEL:048-887-6565)
講師:田嶼尚子先生(東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科教授)
演題:「1型糖尿病におけるインスリン療法のレベルアップ」
会費:無料