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Dr.鈴木の
おしえて!糖尿病

糖尿病があっても妊娠出産はできる

血糖コントロールの悪い状態での妊娠を避けるのは何故か。
糖尿病で血糖コントロールが悪いまま妊娠/出産すると奇形を持つ子どもの生まれる率が高くなります。また、重症の奇形に妊娠初期の血糖コントロールの悪さが関わるとされています。

奇形発生頻度は血糖管理が悪いほど高くなり、HbA1c(NGSP)が8.4%以上 になると奇形が合併する可能性が20〜30%になるといわれます。

妊娠前のHbA1c(NGSP)は6.2%未満であれば理想的ですが、HbA1c(NGSP)が7.0%未満一般的に推奨されています。
妊娠しないように避妊しながら血糖を改善する計画妊娠が望まれていますが、妊娠の糖尿病の危険性が十分理解され、広く実行されているとは言いがたいのが現状です.

ある調査研究では、妊娠前に集学的治療を開始した群では奇形率2.1%で、糖尿病のない群の1.7%と大きな差は見られませんでしたが、妊娠後に治療開始をした群では9.0%と高頻度になりました。

妊娠周産期の血糖コントロールが悪いと、生まれる子どもやお母さんに、この他にもいろいろな合併症や問題が起きやすいのです。
 糖尿病がある人は妊娠出産と糖尿病をフォローできる医療機関の指導を受けて、よい血糖コントロール状態で妊娠出産することが大切です。

1型糖尿病の場合
インスリン注射を継続されていますから、HbA1cの数値なども理解している人が多いでしょう。ただ、一昔前まで子どもを産むのも難しいとされていたため、あきらめ気分でいる人もおられるようです。
 糖尿病の人の妊娠出産の研究や臨床は飛躍的に進み、合併症のある場合の限界も動いています。合併症がある場合は経験の多い医療機関で治療管理を受け専門家の判断を仰ぐことが大切です。

2型糖尿病の場合
血糖コントロールが悪いままの妊娠出産が危険であることを知らない方が多く、また近年若年発症の2型糖尿病が増加していることもあり、大きな問題になりつつあります。

●糖尿病の家族歴 ●肥満 ●35歳以上の高年齢 ●巨大児分娩既往 ●原因不明の習慣流早産歴 ●原因不明の周産期死亡歴 ●先天奇形児 の分娩歴 ●強度の尿糖陽性もしくは2回以上反復する尿糖陽性 ●妊娠高血圧症候群 ●羊水過多症

  などに該当するものがあれば医療機関を受診し糖尿病の有無を調べる検査を受け、糖尿病であれば妊娠前に血糖コントロールを改善する計画妊娠です。

1型、2型ともに進んだ糖尿病合併症がなく、妊娠前に血糖コントロールを改善するなど計画妊娠を行うと心配の少ない妊娠出産をすることができます。 糖尿病合併症がある場合は専門家の判断が大切です。

ここまでの話は「妊娠時に明らかな糖尿病 overt diabetes in pregnancy」で従来「糖尿病合併妊娠」と呼ばれた糖尿病がある人の妊娠出産の話でした。

妊娠糖尿病
ここでは妊娠中に起こる耐糖能異常や糖尿病の話です。
 妊娠出産はお母さんの体内で胎児の成長、子宮や胎盤、乳房の発達などから、体重が10kg前後増加するなど母体への負担がとても大きく、この時期に糖尿病や耐糖能異常を起こしやすいことが知られており、妊娠時故に糖尿病状態があらわれたものを「妊娠糖尿病」と呼びます。  糖尿病状態の程度に合わせて、「妊娠時に明らかな糖尿病 overt diabetes in pregnancy」と同様に、糖尿病と妊娠出産の適切な治療管理が必要です。
 出産後正常に戻ることも多いのですが、もともと糖尿病になりやすい体質の場合が多く、出産後も定期的にHbA1cの検査を続けることが大切です。

おわりに
糖尿病があったら計画妊娠をしましょう。糖尿病があっても、進んだ合併症がなければ、適切な治療管理で妊娠出産ができます。
 このごろ献血をすると糖尿病の有無がわかるHbA1cに相当するグリコヘモグロビンの検査結果を本人だけに知らせてくれます。女性の方は16歳になったら献血という社会貢献をしてみるのはいかがですか。

<参考資料>
糖尿病と妊娠に関するQ&A

(2013年08月)
一般の方 一般の方 医療スタッフの方
記事内容は公開当時のものです。ご留意ください。
治療や療養については、かかりつけの医師や医療スタッフにご相談ください。
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