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Dr.鈴木の
おしえて!糖尿病

糖尿病腎症

糖尿病合併症の怖さ
糖尿病発症から不摂生のまま10〜15年経過すると、失明の危険がある網膜症、激しい痛みや様々な症状・障害、そして足の切断にまでつながる糖尿病神経障害、そして今回経過を整理する糖尿病腎症など、厳しい糖尿病合併症が現れるようになります。

適切な自己管理と治療をしないで不摂生を続けると1つの合併症が起こるのではなく同時並行で他の合併症も悪化します。

血糖・血圧・塩分管理が重要
糖尿病腎症の発症・進行抑制には血糖コントロールが基本ですが、もし血圧が高いとき(管理目標は130/80mmHg。高齢者は140/90mmHg)には、降圧薬を1種から数種組み合わせることで目標を達成できることが多いので是非下げておきましょう。

また、血圧を下げるために塩分摂取を減らす工夫もします。ここで血圧のことを話したのは、高い血圧が心血管障害(脳卒中、心筋梗など)の発症リスクを高めるばかりでなく、糖尿病腎症の発症・進行抑制にも重要という見解が強いからです。

CKDと微量アルブミン
糖尿病腎症の状態を知る検査法に、慢性腎臓病(CKD、腎臓の機能レベル)区分を決める推算糸球体濾過率eGFRの算出と、糖尿病腎症の発症、進行にも結びつく腎臓でのタンパク質漏出を早く見つける微量アルブミン尿検査(mg/gCr)があります。

かかりつけ医がこれらの検査で糖尿病腎症の進行を見極め、腎臓病専門医の定期的診察(医療連携)を開始するタイミングを決めます。 糖尿病合併症がここまで進んでいても糖尿病腎症の治療をしっかり行うことで進行を止めたり遅らせたりするチャンスは残っています。

血糖・血圧・塩分管理を更に厳重に行い、時期をみてタンパク質制限食を行いますが、なかなか難しいので市販のタンパク質調整宅配食を適宜利用という選択枝も有効です。

腎不全、腎臓移植、透析療法
あいまいな治療のまま時間を空費すると徐々に腎不全、透析に近づいていきます。
 治療中断など論外です。
 ネフローゼと呼ばれる腎臓からの持続的で量の多いタンパク質漏出が起こることもあります。 全身に浮腫が起こり、特に足などに顕著な浮腫がみられます。
 糖尿病腎症のネフローゼは腎不全に向かう速度を速めがちです。

腎臓の機能が健常な腎臓の10%を下回る腎不全の状態に至ると、尿はほとんど出ないか止まってしまい、体内の代謝で生じた老廃物が血液に貯まるようになります。倦怠感(身体のだるさ)、食欲不振、浮腫等が目立ち、胸水の貯留による心臓圧迫で息切れが起こったりするいわゆる腎不全状態になります。脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクが高まり、放置すると尿毒症による死に至ります。

このような状態を回復させる薬物療法はなく、腎臓を取り替える腎移植と腎機能を体外の装置に代替させる透析療法のどちらかということになります。
 我が国では、臓器移植の中では成功率の高い腎移植に、十分な理解と協力が得られておらず低い実施率に止まっていて、多くが透析療法に頼ることになります。

透析療法の実際
自分で1日に4回バッグ交換を行う腹膜透析とごく一部で行われている自宅での血液透析を除き、ほとんどが通院による血液透析です。

血液透析は週3回、1回に少なくとも半日を要しますから、どうしても仕事など生活形態を大幅に見直すことになります。一部に夜間透析を行う施設があります。

日常生活では水分摂取をなるべく減らすのですが、やはり水分は絶え間なく貯まって代謝老廃物も蓄積するので、体調不良や浮腫が進みます。
 そこで少なくとも半日がかりで透析療法を行い代謝老廃物の除去と除水で体調と体重を戻し(浮腫もとれる)、少し痩せて顔も細面になって日常生活に帰ります。

  糖尿病腎症から透析を受けるようになった方には元々糖尿病の自己管理ができていない方も居られるなど、透析導入後月日を経ないうちに亡くなる方も多く、糖尿病腎症の5年生存率は50%程度と言われていますが、一方で日本の透析技術水準は高く10〜15年と透析期間を積まれる方も多くおられます。

(2013年02月)
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記事内容は公開当時のものです。ご留意ください。
治療や療養については、かかりつけの医師や医療スタッフにご相談ください。
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