メニュー MENU
Dr.鈴木の
おしえて!糖尿病

足にご注意 糖尿病神経障害

2型糖尿病が発症して血糖コントロールの悪いまま10〜15年と年月が流れると、恐れられている目の網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害などが現れるようになります。

糖尿病による神経障害や壊疽が下肢(足)に起こりやすいことがよく知られています。今回は糖尿病の足病変を少し説明しましょう。

足の異常に注意しましょう
糖尿病の高血糖は年齢とともに進行する動脈硬化を更に悪化させ、血管の内皮がコレステロールやコレステロールを大量に捕食したマクロファージの死骸などの塊であるプラーグで肥厚し たり、遂には血管が詰まってしまうようなことが起こります。
 下肢は心臓から遠く重力の影響も強くうけるので血流が滞りやすく、このようなことが起きやすいのです。

また、全身にくまなく広がる毛細血管でも、高血糖の影響を受けると、酸素や栄養の供給、老廃物の搬出などに支障が起こります。
 全身を巡っている神経系の神経繊維の1本に当たる神経鞘は血液循環不調の影響を受けやすくとても脆弱です。神経鞘が1本、2本と機能を失い、形態的にも消えてしまいます。

このようにして神経の伝達機能が落ちていき、他の合併症に先んじて糖尿病神経障害の症状がではじめることが多いのです。神経系は中枢(頭)から遠くて長い神経繊維ほど早く影響を受けやすく、まず下肢の足に冷感やしびれなどが現れます。

このように糖尿病の合併症が現れやすい足、特に足の指・付け根、爪、足の裏、かかとなどは日頃から注意を払う必要があり、糖尿病治療の一環としてフットケアが重視されるようになりました。

糖尿病神経障害
高血圧は糖尿病よりも早く見つかり治療を始める人が多いですが、糖尿病神経障害も糖尿病と診断される前の境界型の頃にすでに進行が始まっているといわれます。

しかし糖尿病神経障害の診断は、神経障害がかなり進んでからの足のくるぶし部分の腱反射の喪失をみるアキレス腱反射、音叉の振動を下肢のどのあたりで知覚できるか調べる振動覚試験がまだ一般的という状態です。

糖尿病神経障害は高血糖(血液や体液中のブドウ糖濃度が高くなる)という全身的な原因から起こるので、症状が体の両側に対照的に起こることが多いという特徴をもっています。

典型的なものに多発性神経障害があります。症状は温覚、痛覚、振動覚、触覚の異常、神経伝導度低下、腱反射低下消失などが見られ、足のゆびや足底から下腿へという順で中枢方向に向かいます。
 自発痛(刺されるような痛み、電撃痛など)や異常感覚(ジンジン、ピリピリ、灼熱感など)が起きやすく、痛みは耐えがたく、執拗な痛みから、不安から不眠、食欲不振、そしてうつ状態になるようなことさえあります。
 治療による改善期に痛みがひどくなることもあるのでかかりつけ医の先生との連携が必須です。

その他、糖尿病神経障害には、単発性の痛み、めまい、吐き気、失神、下痢、便秘、勃起障害、眼筋・顔面麻痺など多彩な障害がみられます。

潰瘍や壊疽
糖尿病神経障害が進行すると神経伝達機能が低下・消失し、知覚鈍麻・喪失、身体バランスの不安定化から足の変形や鶏眼などが見られるようになり、歩くのも不自由というような状態 になります。
 胃無力症、大小の失禁、無自覚性低血糖なども、またけがややけどをしてもわからないというようなことも起こります。

そして、下肢に血管閉塞や感染なども絡む潰瘍や臭気を伴い組織が黒く壊死してしまう壊疽(えそ)が見られるようになります。この時期には他の合併症も起きやすくなっています。

日頃から足の状態に注意を払うようにしましょう。
 適切な糖尿病治療の継続は、同時進行で進みやすい目の網膜損傷、腎臓機能低下などの進行も抑制し、糖尿病で発症率が高まる脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクを下げることにもつながります。

(2013年01月)
一般の方 一般の方 医療スタッフの方
記事内容は公開当時のものです。ご留意ください。
治療や療養については、かかりつけの医師や医療スタッフにご相談ください。
一般の方 一般の方 医療スタッフの方

Dr.鈴木の
おしえて!糖尿病

  • ヘルシー御膳
  • スマイル御膳
  • ソフト御膳

食事療法 最近の話題