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Dr.鈴木の
おしえて!糖尿病

糖尿病の合併症〈糖尿病性腎症〉

糖尿病と腎臓の関係

腎臓は、からだの中の老廃物を尿として外に出す働きをしています。その役割を担っているのが、左右の腎臓にそれぞれ約100万個ずつある糸球体で、細小血管という細い血管が集まった糸くずのような形をしています。この糸球体がフィルターの役割を果たし、血液をろ過して尿のもとを作ります。糖尿病性腎症は、この糸球体の細小血管に問題が起き、腎臓が正常に機能しなくなるものです。

長い期間高血糖が続くと、糸球体の細小血管がダメージを受け、ろ過機能が低下していきます。しかし、細小血管のダメージはすぐに自覚症状として感じられるのではなく、10年、15年という長い期間を経て蓄積していきます。そしてある一定のダメージを超えると腎機能が急速に低下し、腎不全などの障害を引き起こすことがあります。

また近年、糖尿病性腎症から腎不全に、そして透析療法へと進む人が増えており、2007年に透析治療を始めた人のうち、約43%の人が糖尿病性腎症の方でした。

糖尿病性腎症の進行

自覚症状のない糖尿病性腎症の早期発見のためには、微量アルブミン尿検査が有効です。アルブミンはたんぱく質の一種で、糸球体のろ過機能が弱まると尿に溶け出すようになります。微量アルブミン尿検査は、このアルブミンを高い感度で見つけ出す検査です。

この検査が陽性の場合、「微量アルブミン尿期(早期腎症)」となります。目立った自覚症状はありませんが、人によっては血圧が高くなります。治療としては、厳格な血糖値コントロールとともに血圧の管理も必要です。通常、塩分摂取量の目安は1日10g以下ですが、これ以上の血圧上昇を防ぐためにも7g程度に抑えることが望ましいとされています。また、場合によってはこの段階から薬を使って血圧を安定させることも必要です。

次の段階が「顕性腎症期」です。通常の尿検査でたんぱく尿がはっきりと出るようになり、腎臓の機能は急速に衰えはじめます。からだのむくみや高血圧といった自覚症状を感じ始めます。厳格な血糖値コントロールと血圧管理はもちろんのこと、本格的に食事療法の切り替えが必要になります。塩分1日5g以下、たんぱく質体重1kgあたり0.8〜1g以下というたんぱく制限食となります。

顕性腎症期での治療が上手くいかないと、「腎不全期」へと進行します。この段階では、すでに腎臓は十分な役割を果たすことができず、老廃物が血液中にたまり細胞の働きが悪くなります。貧血やからだのだるさをともなう尿毒症、夜間手足が痛くなる尿毒症性神経痛、慢性的にからだがむくむネフローゼ症候群などが起こります。治療は腎症対策の比重が大きくなり、血糖値と血圧のコントロールとともに、食事を塩分1日3g、たんぱく質体重1kgあたり0.6〜0.8gという低たんぱく食に変更する必要があります。また水分摂取も制限されます。

そして、腎不全期で症状を抑えることができないと、ついに「透析期」となります。この段階では、腹膜透析、あるいは血液透析による透析療法、または腎移植による治療しか残されていません。

予防と早期発見

残念ながら、糖尿病性腎症を根本から治せる薬はまだありません。そのため、予防と早期発見はとても大切です。適切な食事療法、運動療法はもちろん、血糖値コントロールが上手くいっていないという自覚があるなら、早い段階での薬物療法も視野に入れましょう。これは血圧についても同様です。そして、血糖値の検査だけではなく微量アルブミン尿検査も定期的に受け、常に腎臓の状態に目を光らせましょう。

(2009年02月)
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記事内容は公開当時のものです。ご留意ください。
治療や療養については、かかりつけの医師や医療スタッフにご相談ください。
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