とうゆうニュース第78号(平成14年1月1日発行)より
療養指導士活躍元年2001年は、野球の本場、米国のメジャーリーグで、イチロー、ササキ、シンジョーの諸氏が大活躍、野球ファンでなくても楽しい年でした。今年は、サッカーのワールドカップ、サポーターの若者たちには楽しい年になるでしょう。同じ応援団なのに、野球では「ファン」といい、サッカーでは「サポーター」と呼ばれています。ファンとは熱中する人のこと、サポーターとは支持者ないし援助者という意味なのですが…。
さて、わが国の糖尿病界でも、2001年は記念すべき年になりました。それは糖尿病の方々のためのサポーター制度ができ、その第1期生が誕生した年だったからです。この人々は、もちろんファンでも応援団でもありません。あくまでも糖尿病の人々を支えるためのサボーターです。今年は、その人々がいよいよ活躍し始めるでしょう。どのような人が療養指導士になったのか
これまでは地域の看護婦、栄養士、薬剤師などと糖尿病の専門医とが集まって自主的な勉強会をし、その発展型として糖尿病のケアをする人々の集団が、国内のあちこちで生まれつつありました。それが今度は新たに全国を網羅する「糖尿病療養指導士」という制度が構築されたのです。この資格を得るには、看護婦、栄養士、薬剤師、理学療法士、臨床検査技師として日ごろから糖尿病のケアに携わったことがあるという経験と、それに加えて難しい資格試験をパスしなければなりません。その第1回目の試験が2001年に行われ、関東甲信越だけでも1300余名の糖尿病療養指導士が認定されました。(下表参照)
関東甲信越地区の糖尿病療養指導士数(現住所別)
東 京 281名 茨 城 82名 栃 木 59名 群 馬 37名 埼 玉 213名
千 葉 150名 神奈川 283名 新 潟 123名 山 梨 17名 長 野 82名
何をする人? してくれる人?療養指導士などという堅苦しい肩書はさておき、認定を受けた人々には、糖尿病の人々がより良いコントロール状態を維持して満足できる日常生活を送るために、その持っている十分な知識と熟練したサポート技術を提供してもらおうという趣旨です。指導士は、医師としての仕事はできませんが、医師とのパイプ役や、それぞれの職種の専門知識や技能にプラスして、糖尿病についてのノウハウも身につけているのですから、糖尿病の「よろず相談承り人」であり「よき支援者」にもなるでしょう。という次第で、糖尿病の方々のためにお役に立てる人材が整いました。今年は、その活動が期待できるはずです。