糖尿病療養生活のポイント

とうゆうニュース第80号(平成15年1月1日発行)より

 食事療法

食生活を見直してみましょう

とうゆうニュース編集委員
横浜船員保険病院
梅澤 眞由美


 テレビや錐誌で「健康に良い食品!」・「これを食べれば病気が防げる!」・「これを、食べて、病気が治った!」等の情報が取り上げられると、試してみたくなるのが人情というもの。でも、扱い方を間違えると大変なことになります。そこで、正しい食事療法とは何なのか、本当に糖尿病のコントロールに合った食事療法が出来ているかどうかを、確認してみましょう。

1.正しい食事療法って、何?

 正しい食事療法とは、自分の命を守り、活動的に過ごす為の栄養素とエネルギー量を過不足なく摂る事によって、糖尿病の合併症の発症を防ぐことです。

2.食事療法が守られていますか?

(1)指示カロリーがわかっていますか?
 1日何kcal食べたらよいのか、忘れてしまったときは勇気を持って主治医に質間してください。
 基本的には身長から計算した「標準体重」を基準にして算出されますが、年代が変化してくると活動量も変わるので、数年に一度確認するのも良いでしよう。

(2)バランスよく食べていますか?
 食事をバランスよく摂るということは、必要な栄養素を満遍なく摂ることです。「糖尿病食事療法のための食品交換表」(以後、交換表)を上手に利用して、バランスよく食べる工夫をしましょう。

(3)エネルギー配分が、偏っていませんか?
 忙しいから・眠いからと朝食を抜いたり、昼食を摂る時間がなかったからと夕食を沢山食べたりすると、血糖のコントロールが悪くなります。食事を抜くことのないように、一日の行動計画を立て、なるべく、規則正しい時間に一定量の食事ができるように配慮しましょう。
3.交換表が変わったのはなぜ?

 平成14年5月に交換表の第6版が出ました。その前年に、「5訂日本食品標準成分表」がでたことにより、食品の1単位の重量が変わったからです。でも表1が2単位だった人が、米飯を110gから無理に100gに変更する必要はありません。表1を2.2単位摂っていたことを理解して全体の中で、どのように処理していったらよいかを、担当の管理栄養士と相談してください。

4.時には、手抜きをしたい?

 同じことの繰り返しで負担になったら、少し大雑把に考えてみましょう。「主食」・「主菜」・「副菜」だけ念頭に置いて考えると楽になります。
(例)主食・・・米飯、パン、麺どれか一食分
主菜・・・肉、魚、卵、大豆製品どれか一品
副菜・・・野菜を両手いっぱい
*以上の考え方でいうと、下記のようになります。
(1)ご飯・納豆・野菜妙め
(2)パン・目玉焼き・野菜サラダ
(3)ご飯・刺身・青菜の胡麻和え
(4)ご飯・野莱いっばいの湯豆腐ゴマダレ
(5)狐うどん・野菜のポン酢浸し
  • 交換表の表1、表3、表6の食品を、毎食摂るように考えてみるだけで済みます。
  • パズルのように、組み合わせてみましょう。
  • 毎日手抜きにならないように、注意しましょう。
特別な食品はありません。今の一食を、大切にしましょう。
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