日本糖尿病・妊娠学会
理事長挨拶
◎理事長
平 松 祐 司
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
産科・婦人科学教室教授

 2011年4月から本学会の第3代目理事長をおおせつかりました。未熟ではありますが会員の皆さまの協力を頂きながら、本会が少しでも発展していくよう頑張りたいと考えております。

 さて本会の歴史を振り返って見ますと、初代理事長の大森安恵先生が1985年に「糖尿病と妊娠に関する研究会」を設立され、糖尿病と妊娠にかける熱い情熱とカリスマ性をもって指導され、2000年に現在の日本糖尿病・妊娠学会へと発展させられました。大森先生には、現在もご指導いただいておりますが、今後も本会発展のためさらなるご活躍・ご指導を期待しております。

 その後、第2代目の理事長を中林正雄先生が2005年4月から2011年3月までお勤めになりさらに発展させられました。中でも献血者に対し、HbA1c、グリコアルブミン測定が実施されるようになったのは先生の功績であり画期的なことであります。

 わが国の糖尿病人口は増加し続けており、非常に大きな問題になっております。このような中、2010年のIADPSGからの世界統一の妊娠糖尿病診断基準提言に伴い、わが国でも新診断基準を制定し、2010年7月からその運用が開始されました。新診断基準を使用すると、全妊婦に75gOGTTを施行した場合、妊娠糖尿病の頻度は2.92%から12.08%へと4.1倍に増加し、これにpre-existing diabetesと妊娠時に診断された明らかな糖尿病を加えると、約15%の妊婦さんが何らかの耐糖能異常を有していることになり、本学会の果たすべき役割は益々重要になってきたと言わざるをえません。

 わが国ではこれまでも糖代謝と妊娠に関する多くの立派な基礎的・臨床的研究が行われていますが、今後さらにそれらの研究を発展させるとともに、新診断基準採用による増加する妊娠糖尿病の取り扱い、妊娠時に診断された明らかな糖尿病の取り扱い、母児のフォローアップと糖尿病・メタボリックシンドローム発症予防などの諸課題についても、世界にむけて多くのメッセージを発信する学会に発展させて行きたいと考えております。
2011年4月
2011年04月更新