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南米エクアドルの糖尿病患者 ヴァレリアちゃんについて(FUVIDAレポート)

 今回はエクアドル共和国のローサとアルベルトの子供達のケースをみなさんに報告したいと思います。

 ローサとアルベルトの間には5人の子供がいますが、そのうちの2人、ヴァレリアとロベルトは1型糖尿病を患っています。当初、ローサとアルベルトは、ある支援団体からの支援を得ながら5人の子供たちを育てていました。

 しかし、ある日ローサは家を出て、他の男性との間に子供を作ってしまったのです。ローサの関心はすべてその新しい子供に注がれてしまいました。
残されたアルベルトは、5人の子供たちの面倒を自分の両親に任せて、他の国へ出稼ぎに行く決心をしてしまいます。
さらには、アルベルトの両親のもとから、5人のうちの2人の女の子がローサと一緒に住むことを決めてしまいました。その2人の女の子のうちの1人が、1型糖尿病を患っているヴァレリアでした。

 そのようにして時が過ぎ、アルベルトがエクアドルに帰国しました。そして、ヴァレリアの身体の異変に気づいたのです。ヴァレリアは痩せ細り、他の病気も併発している兆候も見られました。
アルベルトは、ヴァレリアを私たちFUVIDAのもとに連れてきました。私たちは、すぐにヴァレリアの血糖値を測定しましたが、なんとHbA1cは14.5%もあったのです。
血糖値は、ヴァレリアが持っていた血糖自己測定ノートに記入されている数値をはるかに超える、600mg/dl以上という結果でした。
そこで私たちはヴァレリアに、なぜ、血糖測定器が示した、正しい血糖値をノートに記入しなかったのかと尋ねました。すると、ヴァレリアは泣き出し、黙り込んでしまいました。

 親の勝手な行動や病気への関心の少なさが、どれだけ糖尿病の子供達の状況を悲惨なものにしているかということがわかります。糖尿病の子供達には専門的な治療や心理的なケア、そして何より家族の支援が必要なのです。

私たちは、ヴァレリアの状態を正確に伝えるために彼女の母親、ローサに連絡を取りました。そこで私たちは驚愕の事実を知ったのです。母親であるローサは、ヴァレリアは注射が嫌いなので、インスリン注射を強要することも出来ず、それどころか、血糖コントロールを無視してパンや炭酸飲料を過剰に摂取することを黙認していたのです。
そのような状況が3年もの間続いた結果、ヴァレリアは弱々しく痩せ細り、危険な状態に陥ってしまったのです。

 ヴァレリアの兄妹で、同じく1型糖尿病のロベルトは、現在、糖尿病による中毒症状の改善のためリハビリセンターに入院し、治療を続けています。

 このケースは極めて悲惨なものです。糖尿病の子供を持つ親が適切な行動を取らず、それにより子供の命が危険に晒されることは立派な犯罪行為であると私たちは認識しています。したがって、私たちFUVIDAは、糖尿病の子供達やその家族を支援する団体として、今後1ヶ月の猶予を与え、ローサとアルベルトが責任を持ってこの状況を変えないのであれば、各関係当局にこの件を報告することを考えています。

 エクアドルには、「DINAPEN」という警察当局が運営する組織があります。DINAPENは、危険な状況に置かれている子供達を保護し、指導する組織です。

 ヴァレリアは現在、彼女の父親であるアルベルトとともに暮らし、自分に合ったインスリン量や血糖コントロールを考えた健康的な食事療法などの糖尿病教育をしっかりと受けています。そしてなによりも、ヴァレリアが最も必要としていた家族の支援と愛情を受けていることが重要なことです。

 糖尿病の子供を持つ親たちの多くは、その子供の支援に全力を注ぎますが、今回のようなケースも後を絶ちません。 私たちは今後も引き続きヴァレリアとロベルトの状況を見守っていきたいと思います。なぜなら、FUVIDAは糖尿病の子供を持つ家族への糖尿病教育などの支援を目標に掲げているからです。

翻訳協力者
鈴木 有 様

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2017年05月