糖尿病の本・ビデオ

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ハーゲドン 情熱の生涯 理想のインスリンを求めて

2007.09.01

 今日、中間型インスリン「NPH (Neutral Protamine Hagedorn) 製剤」という呼称や、日本糖尿病学会から優れた研究に対して授与される「ハーゲドン賞」としてその名が冠され、ノルディスク研究所やステノメモリアル病院の創立者としても知られるデンマークの医師、ハーゲドン (Hagedorn) の生涯。インスリンの発見とともに始まった、死に瀕していた患者の救命治療、そして、より多くの患者へ精製度の高いインスリンを届けるための研究開発へと発展していく糖尿病治療黎明期からの歴史を、二度の大戦を含む波乱の続いた時代背景とともに描き出した大作。カナダのトロント大学から得た北欧でのインスリン生産許可という道義的な借りに対して、長い年月の後、ノルディスク研究所が開発し世界中の患者から求められたプロタミンインスリンの特許権をカナダにおいて譲与するかたちで返済したり、ステノメモリアル病院での人道的で先進的な医療の取り組み、より簡便で正確な血糖測定法の開発、ナチス占領下での友人の援助、インスリン安定供給をめざし鯨インスリン開発の可能性を調査するための南極海航海など、ハーゲドンの人間としてのスケールの大きさと、医師としての高い理想と実力、倫理観、実行力を彷彿とさせるエピソードが豊富に語られている。また、自身が糖尿病の専門医として世界的に知られる著者デッカートの精密な調査により、記載内容のすべては巻末に出典が掲載されており、伝記の範疇にとどまらず高い史料的価値もある一冊となっている。本書を読むことで、100kgを超える体躯で周囲の人を魅了し、ときに圧倒的な存在感を感じさせたと言われるハーゲドンの熱い理想に触れ、かつ、現在の糖尿病治療の基礎が築かれるまでの歴史を理解することができる。糖尿病医療の関係者やインスリン療法をされている方にお勧めしたい。

●A5・454ページ 本体\3,900+税 2007年発行 時空出版(03-3812-5313)
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シュガーな俺

2006.11.10

 ホームページのアットニフティで連載され注目された作品を単行本化したもの。著者の実体験に基づく自伝風小説。主人公は33歳のサラリーマン。異常な喉の渇き、激やせ、倦怠感のため受診し、糖尿病を宣告される。職場の同僚や教育入院時に出会ったほかの患者さんなど周囲の人々との関係を通じて、糖尿病を受け入れ自分なりのコントロール法を確立する過程や、夫婦間の不和とその修復などの実生活をリアルに描き出している。話の展開から主人公は緩徐進行型1型糖尿病と思われ、1型と2型の差異や、2型として患者指導を受けることが1型の治療にも役立つといった、一般の家庭医学書ではあまり取り上げられない糖尿病治療の細部もしっかりと描写。医学的な内容の著述には、日本赤十字医療センター糖尿病・内分泌科部長の日吉徹氏が協力している。著者は、2004年に「ラス・マンチャス通信」で第16回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー、2006年には「忘れないと誓ったぼくがいた」を上梓。ブログ「平山瑞穂の黒いシミ通信」を公開している。

●四六・240ページ 本体\1,400+税 2006年発行 世界文化社(03-3262-5115)
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私の糖尿病生活

2006.07.01

 糖尿病と向き合う24人の体験談を主治医のコメントを添えて紹介する。書店には数多くの糖尿病関連書籍があるが、多くは医学書を薄くしただけ、または表現をやさくしく変えて見ばえを整えただけで、患者さんが聞きたいことに対してストレートな答えや示唆を与えてくれる本は少ない。そんな中、本書は、長年糖尿病とともに生きてきた多数の患者さんが、文字通り患者さんの視線で執筆し、治療について、あるいは糖尿病によって生じた生活上・人生上の問題について、ご自信の言葉で綴るという類書のないものに仕上がっている。また、それぞれの患者さんの主治医が、医学的立場からのコメントとして、現在までの治療の反省点や、今後に向けて改善可能なことのアドバイスを追加しているため、単に体験談集にとどまらずに、24例のケーススタディーとも言え、糖尿病と診断されたばかり患者さんやそのご家族が、今、抱えている不安を解消するために役立つ。

●四六・223ページ 本体\1,143+税 2006年発行 発行/笹氣出版(022-288-5555)
 出版社ホームページ→トップ 発売/日本エディターズ (03-5261-2349)


糖尿病のみなさん、360kcalのフルコースを召し上がれ。

2005.07.25

 自身が糖尿病で、壊疽による下肢切断の宣告や失明の危機を乗り越えるなど、治療を続けながら「知食の会」を主宰し、おもにホテルを舞台にシェフとともに、360kcal、塩分 2.2g のフレンチ フルコースを開発したきた著者による糖尿病闘病記。希望を捨てない、前向きな明るさが特徴的。マスコミでも話題になった、かけそば1杯、あるいはショートケーキ1個と同じ 360kcal の本格的フレンチを開発するまでの秘話も収載。

●B6・224ページ 本体\1,300+税 2005年発行 主婦と生活社(03-3563-5121)
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インスリン物語

2002.09.10

二宮陸雄
 人類と糖尿病の三千年にわたる戦いの歴史を、初公開の文献を含む古今東西の豊富な医学資料をベースにひもとく。人はいかにしてインスリン発見にたどり着いたのか、多くの人々の熱意と失意、偶然、嫉妬といった人間ドラマが再現されている。“バンティング・ベストの奇跡”インスリンの発見が、糖尿病の歴史においてどんな意味をもつのかを知るとともに、インスリンの発見後、今も続く糖尿病の諸問題解決への努力とその最先端の成果を知ることができる。整理された糖尿病学史の知識を得られることはもちろん、現在の糖尿病治療法が確立された経緯の理解によって、糖尿病の治療目的「なぜそうする必要があるのか」が、より明確にわかる。
●A5・332ページ \3,200 2002年発行 医歯薬出版(03-5395-7610)
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