HealthDay News

2021年02月24日

COVID-19ワクチン接種後の生活は?――AHAニュース

 米国カリフォルニア州に住む65歳のアーティストのCarl Bradford氏の生活は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックで一変した。作品をギャラリーに展示する機会を失い、離れて暮らす子どもや孫に会うことも、ジムに行くこともできずにいる。教会のボランティア活動に参加する時は、マスクを着け、人との距離を慎重に確保している。

 しかし同氏は2度目のワクチン接種を受けて、以前の生活を再開する準備は整った。では、彼は飛行機に乗り、子どもや孫に会いに行くべきだろうか? 「まだその時期でない」と同氏は考えている。同氏は親族とともに、「ワクチンの効果について、専門家が全てを明らかにするまで、互いに会うのはよそう」と取り決めた。現時点の専門家の公的なメッセージは、「事態は遠からず好転するだろう。しかし、まだしばらくはワクチン接種を受けた後も、これまでの生活スタイルを続けるべき」というものだ。

 米ノースウエスタン大学ファインバーグ医学部の心臓病専門医で米国心臓協会(AHA)の次期会長であるDonald Lloyd-Jones氏は、「残念ながら、ワクチン接種完了後に以前のような制限のない生活へ戻って良いとするには、科学的根拠がいまだ得られていない」と話す。米疾病対策センター(CDC)も同様に、ワクチン接種後も引き続き公共の場ではマスクを着用し、他の人から少なくとも6フィート(約2m)離れ、換気の悪い場所を避け、注意を怠らないようにすることを推奨している。

 「ワクチンはCOVID-19の重症化を明らかに抑制する。しかし、ワクチン接種を受けた人を介してウイルスが広がる可能性の有無については、ようやくその判断の基となるデータが蓄積され始めたところだ」とLloyd-Jones氏は解説する。その上で、「われわれがもう少し詳しいデータを入手するまで、まだ行動を変えないでほしい」と訴える。

 米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の感染症専門医のMonica Gandhi氏は、やや楽観的な見方をしている。同氏によると、「ワクチン接種がいち早くスタートしていたイスラエルからの報告によれば、ファイザー社のワクチンはCOVID-19重症化抑止の高い効果を示している」という。そして、外出自粛などの制限が続くことによって、人々のメンタルヘルスへの悪影響が強まることに懸念を表している。

 ただし同氏も、「例えば買い物に出かけた時、多くの店員の中にはまだワクチン接種が完了していない人がいるかもしれない。ワクチンが十分に行き渡り、集団免疫が獲得されるまでは全員がマスクをして、互いの距離を保つべき」と語っている。また、ワクチン接種を受けた人が、未接種の家族や友人を訪ねる場合は、マスク着用などの感染防止策を徹底するとともに、訪問前に感染の有無を検査で確認することも必要だろうと話している。

 メンタルヘルスへの懸念が無視できないというGandhi氏の指摘については、Lloyd-Jones氏も同意を表している。しかし、それでもまだ「大規模な集会や必要性の高くない旅行は、行う段階でない」という。もしも避け難い理由で旅行する場合には、「公共交通機関の利用中は常にマスクを着けたままとし、狭い空間では食事はしない方が良い」とアドバイスしている。

 Bradford氏は今、前立腺がんの治療を受けている。妻は糖尿病を患っている。夫婦ともにCOVID-19重症化ハイリスク者に該当する。同氏は東海岸とフロリダにいる家族に会うために、すぐにでも旅立ちたいと願う一方で、まだ待つべきだと自分に言い聞かせている。もう少しの間、COVID-19に対し臆病であることが健康的な態度なのだと、同氏は考えている。

[American Heart Association News 2021年2月24日]

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[ Terahata ]

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