HealthDay News

2021年01月19日

低炭水化物ダイエットは効果がある 2型糖尿病の寛解の可能性も 継続が難しいなど課題も

 2型糖尿病患者が低炭水化物食による食事療法を始めると、初めの6ヵ月間は血糖コントロールに役立つが、そのメリットは時間の経過とともに衰える可能性が報告された。オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)のGrant Brinkworth氏らが行ったシステマティックレビューとメタ解析の結果であり「The BMJ」に1月13日、論文が掲載された。

 Brinkworth氏らは、2型糖尿病患者を対象に、低炭水化物食による食事療法と他の食事療法(多くは低脂肪食)の有用性を比較した、23件のランダム化比較試験の報告を抽出。それらの試験参加者数は合計1,357人で、平均年齢は47~67歳だった。低炭水化物食群では、炭水化物摂取量を1日の摂取エネルギー量の26%未満、または10%未満に維持していた。

 メタ解析の結果、介入開始6ヵ月時点では、低炭水化物食群の方が体重と中性脂肪が、対照群よりも有意に低いことが明らかになった。また、HbA1c6.5%未満で定義した糖尿病の寛解を達成した患者の割合は、低炭水化物食群の方が有意に高かった(リスク比1.87、95%信頼区間1.18~2.97)。ところが、介入開始12ヵ月時点では、これらの有意差はほとんど失われていた。また12ヵ月時点では、低炭水化物食群の方が、LDL-コレステロール(悪玉コレステロール)が有意に高かった。

 6ヵ月時点で認められた有意差が12ヵ月時点では消失したことについて、Brinkworth氏は「その原因は明らかでない」としながらも、低炭水化物食群に割り付けられた参加者が、定められた食事療法を続けられなくなった結果ではないかとしている。同氏は「一般的に、食生活を大きく変更し、それを維持することは難しい」と述べている。

 とは言え、低炭水化物食による食事療法によって、ある程度の体重減少と、より良い血糖コントロールを達成できる可能性は示された。「この研究の結果は、2型糖尿病患者の治療選択肢として、少なくとも6ヵ月という短期間であれば、低炭水化物食を用いた食事療法が検討に値することを示唆している」と同氏は語っている。なお、低炭水化物食による食事療法の実施に際しては、「糖尿病治療薬の量を変更するなどの調整が必要なことがあるため、医師と相談すべき」と同氏は付け加えている。

 この研究に関与していない、米国の栄養と食事のアカデミーのJulie Stefanski氏は、「低炭水化物食には血糖コントロール上のメリットがある。しかし、炭水化物が豊富な食事は満足を得やすいために避け難く、低炭水化物食を続けることはしばしば困難を伴う」と解説。また、「炭水化物摂取を厳格に制限することは、食物繊維やいくつかのビタミンなどの微量栄養素が不足してしまう可能性がある」と、注意を促している。

 それに加えて同氏は、「野菜やその他の食物繊維が豊富な食品を多く含む食事は、炎症を抑制するように働くなど、血糖コントロールとは異なる面でのメリットを糖尿病患者にもたらす可能性がある」と解説。「結局のところ、糖尿病患者のための"万能食事療法"は存在しない」と述べている。

[HealthDay News 2021年1月19日]

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[ Terahata ]

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