HealthDayNews トップページへ メールマガジン無料登録
新しい糖尿病医療機器は手の届かない価格?
2020年11月
 近年、米国においてインスリン製剤の価格が上昇していることが、しばしば報じられている。しかしインスリン製剤だけでなく、血糖管理に必要な医療機器についても費用負担が大きくなり、患者の手が届きにくくなってきているという。

 現在36歳でニューヨーク市に住む女性、Maya Headleyさんは30年前に1型糖尿病と診断されて、20年以上にわたりインスリンポンプを使用してきた。しかし6年前にポンプ関連の物品代を払う余裕がなくなった。Headleyさんによると、月々の保険料が300ドル(約3万3,000円)で、保険の免責額1,500ドル(約16万5,000円)までは自費であり、免責額を超えた場合も糖尿病治療に必要な物品の費用のうち2割は自己負担で、その支払額が月に数百ドルに及ぶことがあったという。

 支払額の不確実性も、治療継続の負担をより大きくする要因だった。彼女は、「治療に必要な機器が加入している保険の適用範囲内だとしても、実際の支払額がいくらになるのかは請求書が届くまで定かでなく、家計管理が難しい。さらに、転職して新しい保険に加入した場合などには、自己負担がいくらになるのか、また一から悩むことになる」と語っている。

 米国糖尿病協会(ADA)では、糖尿病のある人々には生活の支えとなる数々の医療機器があるとしている。例えば、インスリンポンプや連続血糖測定器(CGM)、クローズドループ型インスリンポンプ(人工膵島)、血糖測定器などだ。「1型糖尿病は24時間365日管理が必要で、医療機器は1型糖尿病の人にとって生存に必須のものだ。患者はこのような医療機器が存在するおかげで、糖尿病を管理しながら充実した人生を送ることができる」と、若年性糖尿病研究財団(JDRF)のCynthia Rice氏も述べている。

 一方でJDRFの現在の懸念材料は、薬剤がそうであるのと同様に、医療機器の選択にも医療保険の制限がかけられる傾向が強まっていることだ。既に保険を適用するインスリンポンプメーカーを1社に限定した保険会社も存在する。

 Rice氏は、「どのようなポンプやCGMを選ぶかは、本来は患者本人と医師の間で決めることだ」と指摘する。インスリンポンプは精巧な医療機器で、どの機器が合うかは個人の好みやライフスタイルによって異なる。その点を考慮しない場合、長期的には医療システム全体にさらなる負担がかかる可能性がある。その理由を同氏は「糖尿病の人が健康でいるために必要なツールが手に入らなければ、健康問題がさらに深刻化し、入院や合併症を引き起こす可能性があるからだ」と説明している。

 Headleyさんの場合は加入している保険を変更し、インスリンポンプとCGMのある生活に戻った。彼女には低血糖の症状がない。つまり無自覚性低血糖が起こり得る。そのためCGMは時に彼女の命を救う存在だ。CGMを手にした今、「低血糖の頻度がはるかに少なくなり、救急受診する回数が大きく減った」と彼女は語っている。

[HealthDay News 2019年11月14日]

関連情報

Copyright ©2020 HealthDay. All rights reserved.
HealthDay
 「世界の糖尿病最前線」では米国で配信されている医療関連情報HealthDay Newsの中から糖尿病に関連したニュース記事を厳選し、日本語に翻訳・要約しお届けします。
HealthDay Newsの詳細へ

■最新ニュース

ニュース一覧へ ▶