HealthDay News

2020年08月19日

COVID-19の経済的影響により食料不安が拡大している、AHAニュース

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる経済への影響が広がる中、食料不安が高まっている。非営利団体「Feeding America」が4月に発表した報告によると、COVID-19が原因で失業率と貧困率が10年以上前の不況時に記録したレベルを超えた場合、5,400万人以上の米国人が食料不安に直面する可能性があるという。

 米国農務省は、健康で活動的な生活を送るために必要な食べ物(通常は1日3食)を摂取できない状況を「食料不安」と定義している。いくつかの慈善団体は、この問題の対策をとるよう議会に働きかけている。これまでのところ、新型コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法(CARES)と新型コロナウイルス対策法(FFCRA)という2種類の法律に基づき、フードバンクに対し約8億5,000万ドル(約900億円)の予算が計上された。さらに、農家から農産物や精肉、乳製品を購入し、それらを非営利団体や学校に配布するプログラムに対して、最大30億ドル(約3,200億円)の財政出動も行われている。

 このような食料不安は、人々の健康に深刻な影響を及ぼす。米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)医学部小児科のJason Nagata氏は、「これまでに報告された研究は、食料不安が高血圧、糖尿病、喘息などの多くの慢性疾患に関連していることを示している」と語る。

 例えば2019年に「Journal of General Internal Medicine」に掲載された論文によると、24~32歳の米国人成人、約1万5,000人の健康状態を調査したところ、食料不安の状態にある人は、高血圧、肥満、閉塞性肺疾患の有病率が高く、糖尿病の有病率は対照群の約2倍に上ることが分かった。また、食料不安による精神的な健康や睡眠への好ましくない影響も認められたという。Nagata氏は「食料不安に伴うこれら健康への影響は、COVID-19パンデミックの今、早急に取り組むべき重要な課題となっている」と指摘している。

 黒人やラテン系アメリカ人、ネイティブアメリカンは、白人よりも食料不安の頻度が高く、そしてCOVID-19の罹患、入院、死亡率が高いことが知られている。また最近「The New England Journal of Medicine」に、「長年続いてきた栄養格差と肥満の助長は、COVID-19パンデミック中に生じる健康格差拡大に強い影響をもたらす」とする論説が掲載された。その中で著者らは「健康的な食生活は、食料品店へのアクセスの良さと世帯収入によって決定される」と述べている。

 こうした中、いくつかの慈善団体による支援が既に始まっている。ピッツバーグを拠点とする非営利団体「412 Food Rescue」は、アプリケーションを活用して、食料品店やレストランから余った食品を収集し、食料不安を抱えている人々に届けるネットワークを構築している。ペンシルベニア州西部では、800の食品小売業者、600の非営利パートナー、および1万2,000人以上のボランティアドライバーとの協力体制を確立した。

 412 Food RescueのCEOであるLeah Lizarondo氏は、「危機に直面すると多くの人々が、誰かを助けようとする行動に駆り立てられるものだ。今回のケースも例外ではない」と語っている。Lizarondo氏は、この活動のネットワークを2030年までに100都市に拡大することを目指している。

[American Heart Association News 2020年8月19日]

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[ Terahata ]

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