HealthDay News

2020年05月21日

流産や死産の経験が2型糖尿病リスクと関連

 流産や死産、異所性妊娠などの妊娠喪失の経験がある女性は2型糖尿病の発症リスクが高いとする、コペンハーゲン大学病院(デンマーク)のPia Egerup氏らの報告が「Diabetologia」5月20日オンライン版に掲載された。

 Egerup氏らは、デンマークで行われている全国コホート研究のデータを基に、1957~1997年に生まれ、1977~2017年の間に2型糖尿病と診断された女性(2万4,774人)を抽出。出生年と教育歴がマッチする糖尿病のない女性(24万7,740人)を1対10に割り付け、妊娠喪失の経験回数と2型糖尿病発症リスクの関連を検討した。

 条件付きロジスティック回帰分析により、妊娠喪失経験のない女性に比べて妊娠喪失経験が1回の女性は、2型糖尿病発症のオッズ比(OR)が1.18(95%信頼区間1.13~1.23)で、有意なリスク上昇が認められた。また妊娠喪失経験が2回の女性はOR1.38(同1.27~1.49)、妊娠喪失経験が3回の女性はOR1.71(同1.53~1.92)と、妊娠喪失回数が多いほど2型糖尿病の発症リスクが高いという関連が認められた。なお、一度も妊娠したことがない女性もOR1.56(同1.51~1.61)であり、有意に高リスクだった。

 2型糖尿病の発症には肥満が大きく関与するため、Egerup氏は「妊娠喪失に関連する心理的苦痛がBMIを増加させ、その結果2型糖尿病の発症リスクが高まる可能性があることを否定できない」としている。しかしその一方で、この研究の登録者の中でBMIの記録がある糖尿病群12%と対照群17%について、肥満の影響を調整した上でサブグループ解析を行ったところ、引き続き妊娠喪失回数と2型糖尿病発症リスクの間に有意な関連が認められた。このことから同氏は、「妊娠喪失に伴う2型糖尿病発症リスクの上昇は、肥満だけでは説明できない」とも述べている。

 妊娠喪失の経験と2型糖尿病の発症リスクが関連する理由として著者らは、本研究では証明できないものの、免疫学的因子と代謝関連因子に共通するメカニズムが存在する可能性を考察している。また、何らかの遺伝的背景が、妊娠喪失リスクと2型糖尿病発症リスクの双方に関与している可能性もあるという。さらに、糖尿病の診断基準を満たす前の代謝異常も、影響を及ぼしていることも考えられるという。

 以上より、著者らは「妊娠喪失回数が多いことは、2型糖尿病発症の重要なリスク因子である。今後はこの関連のメカニズムの解明と、糖尿病発症前段階の代謝異常による影響を明らかにする研究が必要」と結論付けている。

[HealthDay News 2020年5月21日]

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