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肥満やメタボ因子が脳の老化を加速させる可能性 AHAニュース
2019年11月
 肥満や心血管疾患発症にかかわる因子を有する人は脳の老化が速く進行する可能性がフラミンガム研究から示され、米国心臓協会の年次集会(AHA 2019、11月16~18日、米フィラデルフィア)で発表された。

 この研究では、メタボリックシンドロームの構成因子(高血圧、高血糖、高中性脂肪血症、低HDL-コレステロール血症)が2つ以上該当する場合を「代謝異常あり」と判定した。また肥満はBMI30以上で定義した。

 37~55歳の2,170人(平均年齢46±9歳、女性が54%)を対象にMRIと認知機能テストを施行。その結果、代謝異常や肥満の人、あるいはその両方の因子を有する人では、最も健康的な参加者に比べて脳機能の低下が認められた。

 主任研究者で米ハーバード大学ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのRebecca Angoff氏は「代謝異常や肥満が脳機能の低下にも関係するという事実は、公衆衛生に影響を及ぼすものだ」と指摘し、「医療者が患者に対して生活習慣を変えるよう説得し、早期予防を働きかけることを強く支持する知見である」と述べている。

 今回の研究では、数十年間にわたり心血管疾患リスクの探索を行っているフラミンガム研究の一部の参加者のうち、糖尿病や脳卒中、認知症などの神経学的疾患のない人を対象とした。

 MRIの結果、代謝異常のある人では、代謝異常のない人に比べて総脳容積が少なく、実質的に脳が小さいことが明らかとなった。Angoff氏は代謝異常で見られた総脳容積の減少を「ニューロンや支持細胞の喪失につながる脳全体の損傷を示すもので、加齢や血流の低下、アルツハイマー病などの疾患により、脳の縮小が起こることがある」と解説している。

 代謝異常があり、かつ肥満の人では、脳全体において極めて重要な結合を担う脳の白質への微細な損傷が多く見られた。Angoff氏は、早期のアルツハイマー病と関連するこれらの損傷は血管の異常によりもたらされたもので、高血圧や糖尿病などのリスク因子が原因と考えられると述べている。

 認知機能テストの結果、肥満の人ではスコアが低かった。特に、代謝異常のない肥満群は、全般的認知機能スコア、および言語的な記憶と抽象的な推論を評価するテストが不良で、また代謝異常のある肥満群では、抽象的な推論、および視認性認知力や空間記憶力を評価するテスト結果が不良だった。

 研究グループは、MRIと認知機能テストの結果が異なるのは、早期の脳の老化のわずかな兆候を示す可能性があると述べている。Angoff氏は、「無症状の段階で見られる脳の老化は、臨床的に明らかな機能低下に先行すると考えられるが、これらの所見が日常の機能に影響するかどうかはわからない」と述べている。

[American Heart Association News 2019年11月21日]

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