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肥満と糖尿病の蔓延を背景に膵臓がんが世界的に増加
2019年10月
 世界規模で膵臓がんが増加しており、その背景に肥満や糖尿病の蔓延が関係している可能性が報告された。テヘラン医科大学(イラン)のReza Malekzadeh氏らが、世界195ヵ国のデータを統合し消化器がんの世界的傾向を1990~2017年にわたり調査した結果で、欧州消化器病週間(UEG2019、10月19~23日、スペイン、バルセロナ)で発表され、同時に「The Lancet Gastroenterology&Hepatology」10月21日オンライン版に掲載された。

 膵臓がんの患者数は1990年の19万5,000例から2017年には44万8,000例と、27年間で約2.3倍に増加していることが示された。このような大幅な増加の理由の1つは人口が増えていることやその高齢化によると考えられる。しかし人口動態の影響を除外した年齢調整罹患率(10万人年当たり)も5.0から5.7に上昇しており、さらに死亡率も5.1から5.6へと10.4%上昇していた。

 統計解析により、膵臓がんによる死亡の8.9%は空腹時血糖値が高いことに起因し、6.2%は肥満に起因するものであると推計され、世界的に肥満や糖尿病が増えていることが膵臓がん増加の背景にあると考えられた。

 Malekzadeh氏によると、膵臓がんは世界でも最も死亡率の高いがんであり、5年生存率は5%に過ぎないという。さらに同氏は、「膵臓がんの罹患率および死亡率は、高所得国で最も高かった。高所得国では、膵臓がんのリスク因子である、肥満や糖尿病の有病率の上昇が膵臓がん患者数の増加を押し上げている可能性がある」と考察している。その上で、「それらのリスク因子の多くは修正することができ、予防の手立てがある」と述べている。

 米ノースウェル・ヘルスがん研究所のWasif Saif氏は、膵臓がんの問題の1つとして、早期発見に役立つ優れたスクリーニング手段がないことを挙げている。その結果、「膵臓がんは発見されたときには既に遅すぎて、致死的であることが多い」という。

 膵臓がん以外の消化器がんに目を向けると、大腸がんは罹患率が上昇しているものの、致死的な疾患ではなくなりつつあることが示された。具体的には、新規患者数が1995~2017年にかけて9.5%増加したが、大腸がんによる死亡率は同期間中に13.5%減少した。これは、大腸内視鏡検査などによるスクリーニングが普及し、より多くの症例が早期に発見されるようになったためと考えられる。

 米レノックスヒル病院のElliot Newman氏は、「スクリーニングを受けることが重要だ」と指摘するとともに、「運動を増やし、喫煙量を減らし、体重をコントロールして、食物繊維が豊富な食生活を送ること。それらのいずれも、大腸がん、特に男性の大腸がんの予防につながる」と述べている。

 なお、胃がんについては、世界のがんによる死亡原因の第2位だったものが、肺がん、大腸がんに次ぐ第3位になった。

[HealthDay News 2019年10月23日]

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