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次世代型人工膵臓によって血糖管理が改善
2019年10月
 いわゆる"人工膵臓"の最新バージョンによって現行のデバイスよりも1型糖尿病患者の血糖を良好に管理できる可能性が報告された。米ヴァージニア大学のSue Brown氏らの研究によるもので、「New England Journal of Medicine」10月16日オンライン版に掲載された。

 今回の研究で効果が検証されたのは、インスリンポンプ(CSII)と連続血糖測定(CGM)、およびコンピューターアルゴリズムにより構成された、Tandem Diabetes社製の「Control-IQ」。クローズドループと呼ばれる自動インスリン注入デバイスで、血糖値を連続的に測定し、血糖値の上昇に合わせてインスリンを注入するだけでなく、血糖値が低下しすぎた場合は注入を一時的に停止する。

 168人の1型糖尿病患者(14~71歳、HbA1c5.4~10.6%)を、この新デバイスを使用する群とCSIIにCGMを併用する群(対照群)に、ランダムに2対1に割付け6カ月間観察した。観察期間中、被験者に対して食生活などの生活習慣の変更は指示しなかった。

 主要評価項目である血糖値が70~180mg/dLの範囲内にあった時間の割合は、新デバイス群はベースラインにおいて61±17%だったものが、6カ月で71±12%に上昇した。それに対して対照群はベースラインの59±14%から変化がなかった。副次的に評価した、血糖値が180mg/dLを上回る時間、70mg/dL未満、54mg/dL未満の時間の割合、平均血糖値、HbA1cも全て、新デバイス群の方が良好だった。

 両群ともに重症低血糖は見られなかった。新デバイス群で、ポンプチューブが閉塞しインスリン注入が途絶えたことによる糖尿病ケトアシドーシスが1件発生した。Brown 氏は「1型糖尿病患者は毎日血糖値とその管理について考えなければいけないが、新デバイスによりその負担を軽減できる」と述べている。

 現在、米食品医薬品局(FDA)の承認を受けている同様のデバイスは1製品のみ。今回の研究は既存デバイスと新デバイスを直接比較したものではないが、著者らは「この2つのデバイスには、アルゴリズムに重要な差がある」と述べている。

 米ニューヨーク大学(NYU)ランゴンヘルスHassenfeld小児病院のMary Pat Gallagher氏は新デバイスの使い勝手の良さを評価するとともに、「アルゴリズムが既存品とかなり違う。FDAに新たに承認されるデバイスは、どれも以前の製品の成功を生かしてわずかずつ改良されている」と述べている。なお、Tandem Diabetes社はこのほどFDAにControl-IQの承認申請書を提出した。

 この研究は、米国立糖尿病・消化器病・腎臓病研究所(NIDDK)の資金援助を得て実施された。

[2019年10月16日/HealthDay News]

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