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若い時の高血圧や高LDL-Cも心疾患リスク上昇に関与
2019年07月
 若年期に血圧やLDLコレステロール(LDL-C)が高値だと、中年期以降のそれらの値にかかわらず心疾患リスクが上昇する可能性が、米コロンビア大学のAndrew Moran氏らの研究により示された。詳細は、「Journal of the American College of Cardiology」7月15日オンライン版に発表された。

 米国で行われた6つの前向きコホート研究のデータ(計3万6,030人)を基に、18~39歳に高血圧や脂質異常症が存在した場合と40歳以降にそれらが存在した場合とに分け、影響の大きさを検討した。解析対象の研究には若年期データの欠損が多く存在したが、若年成人を含む他の研究のデータから統計学的手法により血圧と血清脂質の推定値を算出し補完した。

 中央値 17年の追跡期間中に、冠動脈疾患4,570件、心不全5,119件、脳卒中2,862件が発生した。40歳未満の各リスク因子の時間加重平均値とイベント発生の関係を見ると、LDL-Cが100 mg/dL以上だと100mg/dL未満の場合に比べ、40歳以降のLDL-C値にかかわらず、冠動脈疾患のリスクが64%高かった。冠動脈疾患は心臓の動脈に形成されるプラークにより引き起こされ、高LDL-C血症が最大のリスク因子として知られる。

 血圧との関係も同様で、40歳未満での収縮期血圧が130mmHg以上では120mmHgに比べて心不全のリスクが37%高く、拡張期血圧80mmHg以上では80mmHg未満に比べて21%高かった。心不全は心臓のポンプ機能が低下して血液を効率よく送り出すことができなくなる病気で、高血圧が主要なリスク因子の1つである。なお、脳卒中に対しては40歳以降の高血圧がリスク上昇と強く関連しており、40歳未満のLDL-Cや血圧は独立したリスク因子として示されなかった。

 これらの結果から、Moran氏は「今回の知見は、若年成人期は特にコレステロールの管理において重要な時期であることを示すものだ」と総括している。さらに、「LDL-Cと血圧をコントロールするには、健康的な食生活や定期的な運動、必要であれば減量、禁煙などの生活習慣の改善が鍵となる」として、「年齢を問わずLDL-Cや血圧に留意する必要があり、生活習慣の改善を躊躇すべきではない」と指摘している。 

 家族性高コレステロール血症財団のメディカルディレクターであり、本発表に関する論説を寄せたSamuel Gidding氏は、Moran氏の見解に同意するとともに、「もしリスク因子を持っている場合でも、適切に対処することが長生きにつながる」と述べている。Gidding氏はまた、「若年者に対する薬物治療は十分行われておらず、降圧薬が適応となる50歳未満の米国人のうち、実際に降圧薬を処方されているのは3分の1に満たないとする報告もある」と指摘している。
[2019年7月15日/HealthDay News]

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