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ロタウイルスワクチンに1型糖尿病予防効果?
2019年06月
 乳幼児の急性胃腸炎を引き起こすロタウイルスのワクチンを接種すると、胃腸炎だけでなく、1型糖尿病の発症予防につながる可能性があることが、米ミシガン大学のMary Rogers氏らの研究で示された。推奨される用法、用量でロタウイルスワクチンを接種した子どもでは、接種しなかった子どもに比べて1型糖尿病の発症リスクが約30%低いことが分かったという。研究の詳細は「Scientific Reports」6月13日オンライン版に発表された。

 この研究は、全米をカバーする医療保険データを用い、2001~2017年に生まれた計147万4,535人の小児を対象に、1型糖尿病の発症率を分析したもの。なお、米国では、2006年にロタウイルスワクチンは定期予防接種に組み込まれた。

 その結果、2006~2011年に生まれた子どもでは、ロタウイルスワクチンを推奨通り計3回接種すると、未接種だった場合に比べて1型糖尿病リスクが33%低いことが分かった。また、2012~2016年に生まれた子どもでは、同ワクチンを推奨通りに接種すると、未接種の場合に比べて1型糖尿病リスクは54%低かった。一方、同ワクチンの接種が推奨される回数に満たない場合には、1型糖尿病リスクの低減はみられないことも明らかになった。

 Rogers氏は、今回の研究結果は、ロタウイルスワクチンの接種で1型糖尿病を予防できることを証明するものではなく、あくまで関連が示されたにすぎないと強調する。ただ、同氏は「さらに長期にわたる追跡を行う必要がある」としながらも、「今回の研究では、同ワクチンが導入された2006年以降、米国では0~4歳児における1型糖尿病の発症率は毎年3.4%減少していることも示された」と説明している。

 米疾病対策センター(CDC)は、ロタウイルスワクチンについては、生後15週未満で初回接種は済ませ、その後、生後8ヵ月を迎える前に全ての接種を終了するよう推奨している。なお、同ワクチンは皮下接種ではなく、口から飲む経口接種が必要になる。

 今年初めには、2007年にロタウイルスワクチンを導入したオーストラリアで行われた研究でも、同様の結果が示されている(JAMA Pediatrics 2019; 173: 280-282)。また、Rogers氏は、米国の乳幼児全員がロタウイルスワクチンを完全に接種すると、1型糖尿病の発症を10万人当たり8人予防できると推計している。

 ただし、米国では現在、乳幼児の4人に1人が推奨される回数のロタウイルスワクチンを完全には接種していない。Rogers氏らは、同ワクチンを完全に接種すると、ロタウイルス感染症による入院リスクを94%低減できるとして、「推奨されるワクチンの用法、用量を守ることが重要だ」と強調する。

 さらに、Rogers氏は「ロタウイルスワクチンが導入された当時に接種した子どもは小学生となり、1型糖尿病が最も見つかりやすい年代になっている。今後、新たに1型糖尿病を発症する子どもは減少していくことが期待されるが、その実現はワクチン接種を徹底できるかどうかにかかっている」と述べている。
[2019年6月14日/HealthDay News]

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