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青年期1型糖尿病の自己管理に「親や医師との関係」が影響
2019年05月
 青年期の1型糖尿病患者は、親や医師との関係が良好であると自己管理がうまくいきやすいという研究結果を、米アトランティックヘルスシステムGoryeb小児病院BD糖尿病センターのHarold Starkman氏らが発表した。研究の詳細は「Families, Systems, & Health」3月号に掲載された。

 Starkman氏は「1型糖尿病の患者とその家族は、必要なインスリン量を把握し、食事には何を食べるか、炭水化物の量は適切かなど、常に糖尿病に気を配りながら生活しなくてはならない」と説明する。親が疾患管理の重要な役割を担う幼少期や学童期とは違い、思春期以降になると子ども自身で自己管理を行うようになる。しかし、糖尿病の自己管理には責任を伴う上に、多感な思春期の患者は、親や他人に助けを求めにくくなるなど、自己管理が難しくなりやすい。

 そのため、「青年期の若者は親から自立する必要があるが、1型糖尿病はその足かせとなる場合がある」と、Starkman氏は付け加えている。

 今回の研究は、1型糖尿病と診断されてから1年以上経過し、血糖コントロール不良(HbA1c値が9.0%超)な10歳代の患者9人(13~18歳、女子が7人)とその親、治療に当たる医師などの医療従事者を対象としたもの。親には患者のインタビュー時に同席してもらい、医療従事者には別の機会にインタビューを行った。

 その結果、10歳代の若い1型糖尿病患者は、治療目標を達成できないと怒りやいら立ちや罪悪感、不安を感じやすいことが分かった。さらに、患者だけでなく、親や医療従事者も、子どもの血糖コントロールがうまくいかないことについて同じような感情を抱いていることが明らかになった。

 そうした感情に対する行動反応をみると、青年期の患者は親や医師に反抗的な態度を取るようになり、治療を守らなくなる傾向がみられた。親はいら立ち、子どもを叱ったり、責めてしまったりする場合もみられた。一方、医療従事者は、このような患者と親から距離を置こうとするようになっていた。これらが互いの理解不足や対立を生み出し、血糖コントロール不良につながっていたという。

 Starkman氏によれば、このような悪循環を断ち切る鍵は「オープンなコミュニケーションだ」と強調する。例えば、母親は血糖値を測らない子どもを叱っても、子どもは叱られていることしか感じず、母親が心配して叱っていることに気付いていないかもしれない。一方、子どもにとってみれば、1日の最後の血糖測定を行わなかったのには理由があったかもしれず、子どもは、自分が測定し忘れたわけではないのを母親が知らないことに不満やいら立ちを覚える-といったことが考えられるという。

 そのため、Starkman氏は「親は一方的に子どもを叱ったり、判断したりするのをやめなければならない。子どもたちに何をすべきかを教えるのではなく、どう助ければよいのかを尋ねるべきだ」と助言している。その上で、「子どもと親、医療提供者のコミュニケーションが良好でないと、適切な血糖コントロールを続けることは非常に難しい」と同氏は述べている。
[2019年5月23日/HealthDay News]

原文
NIH Information
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