第2章 子どもたちのこころとからだと糖尿病のある生活
2.糖尿病とともにある子どもたち―学童―
(1)学童期のこころとからだ
糖尿病と女性のライフサポートネットワーク
井出 薫
(埼玉県立小児医療センター 糖尿病看護認定看護師)

低学年では、学校に通うようになり、それまでの母親や家族近隣との関わりから学校の先生や友人、地域の大人との関係を築くようになります。子どもたちを囲む社会が広がっていくのです。その中で勉強やスポーツや遊びを通して、集団生活でのルールを守ること、善悪の判断などの基礎が作り上げられます1)。
高学年での体の発達では、男女差や個人差が大きい時期です。男の子より女の子の発育の方が一般的に早いと言われています。女の子は皮下脂肪が付き丸みを帯びた体つきになり卵巣が発達し初潮が現れます。男の子は筋肉が発達した体つきになり精巣が発達し射精が始まる子もいます。心理的には、学習面や交友関係、親子関係、教師との関係など、様々な場面で自分を見つめるようになり、第二反抗期と言われる時期になります2)。


引用・参考文献
- 1)安藤朗子:学童期における心の発達と健康.母子保健情報 第54号.P53-57.2006.
- 2)中野綾美編:小児看護学―小児の発達と看護.メディカ出版.大阪.P116-132.2009.
- 3)白畑範子:1型糖尿病を持つ子どもの “特別ではない” “ふつうである” に向けたセルフマネージメントの特徴とケア.小児看護.35(2):221-227.2012.
- 4)白畑範子,鈴木学爾,若山幸恵:1型糖尿病をもつ子どもと家族のライフサイクルに合わせた支援 学童期の子どもと家族,小児看護.26(7):831-836.2003.
(2016年03月 公開)
目 次
第1章 基礎講座編
1. 糖尿病と女性のからだ
- (1)月経周期に合わせて血糖って変動するの?
- (2)月経と血糖のふか〜い関係って?
- (3)えっ?月経不順と糖尿病って関係あるの?
- (4)知っておいてほしい月経の正常・異常
- (5)知ってた? 月経周期に合わせた血糖コントロールのコツ
- (6)女性の一生には特有の身体とこころの変化があるということ〜糖尿病患者と一括りにされるのではない、糖尿病と共にある「女性」なのです〜
- (7)「産む性」だからこそ考えなければならない、糖尿病とともに生きること
2. あなたと私のための糖尿病基礎講座
- (1)糖尿病ってどんな病気?
- (2)糖尿病の治療とわたしの生活 〜食事〜
- (3)うまい血糖コントロールは合併症を防ぐ!
- (4)いつもの検査…これってどういう意味?〜そこがわかれば自分の体がもっとわかる〜
- (5)身につけよう〜セルフモニタリング力〜Part1
- (6)身につけよう〜セルフモニタリング力〜Part2
- (7)身につけよう〜セルフモニタリング力〜Part3
第2章 子どもたちのこころとからだと糖尿病のある生活
1.糖尿病とともにある子どもたち―幼児―
2.糖尿病とともにある子どもたち―学童―
3.糖尿病とともに大人の女性への階段を登る―思春期―
- (1)「思春期って!どう関わったらいいの?って困ったこと、一度はありますよね!?
- (2)女性への階段を上る〜からだはどう変化していくのでしょうか?
- (3)女性への階段を上る〜こころはどう変化していくのでしょうか?
- (4)女性への階段を上る〜恋愛、学校、自分の将来…
- (5)どう支える?子どもたちの糖尿病のある生活―思春期―
番外編 明日からの糖代謝異常妊婦のケアを考えよう
- 第34回糖尿病妊娠学会学術集会教育講演(PDF)
糖尿病看護認定看護師青木 美智子