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24. 「日臨内研究2000」にみる、糖尿病性神経障害とわが国の糖尿病の実態
2002年01月
 日本臨床内科医会(会長:後藤由夫)は、糖尿病の合併症で最も頻度の高い糖尿病性神経障害について調査を行いその結果を発表しました。同会会員のうち1,249名が参加し12,860例を対象とし、そこから得られた結果は以下の通りです。
 この調査結果は、日本臨床内科医会会誌2001年9月、12月号に掲載されています。

■糖尿病性神経障害

調査対象のうち「神経障害あり」と記載された4,709例を解析した結果、以下のようなことが明らかになりました。


  • 末梢神経障害は糖尿病の最も頻度の高い慢性合併症であり、加齢とともに頻度が高く、また罹病年数が長いほど頻度が高くなる。
  • 治療法別では、インスリン療法のものに頻度が高く、食事療法だけのものに低く、経口薬治療のものはその中間の頻度であることが明らかになった。
  • 性別や1型2型といった病型による頻度の差は無く、飲酒者や喫煙者に多いという明確な傾向は認められなかった。
  • BMIでみると18以下のやせた人に頻度が高く30以上の肥満者に少ない傾向がみられた。
 この調査に基づき同会では以下のような神経障害の外来診断基準をまとめました。
日臨内の「糖尿病性多発性神経障害の外来診断基準」
1.検査
 次のように配点し、4点以上あること。
 (1)アキレス腱反射消失:左右それぞれ2点
 (2)アキレス腱反射減弱、足の振動覚・痛覚・冷覚の低下あるいは消失:左右それぞれ1点
2.症状
 下記のうち2つ以上あること。
足底の異常感覚、足底の感覚鈍麻、足(下腿)のしびれ感、蟻走感、足が冷たい、足の灼熱感、こむらがえり、(夜間増強することの多い)疼痛、立ちくらみ(起立性低血圧)
症状が1つのときはこれに順ずる。

得点が4点以上で症状が無い場合は無症状性とする。

3.

原因
神経障害の原因が糖尿病以外には考えられないこと。

以上の3条件が認められる場合を糖尿病性神経障害と診断する。

■わが国の糖尿病の実態

 解析対象となった12,821例を集計した結果、以下のことが明らかになりました。

  • 糖尿病は60歳代に最も多く、60・70歳代で62.8%を占め、これに50歳代を加えると82.9%となる。
  • 糖尿病の発病年齢は50歳代(31%)、60歳代(25%)、40歳代(22%)が多い。
  • 性別にみると全体で男性(52.4%)、女性(47.6%)の割合で男性に多い。欧米では女性に多い、あるいは差がないといわれている。
  • 病型は、1型6.5%、2型97.2%、その他の型0.8%である。
  • 治療法は食事療法だけの者19.7%、経口糖尿病薬治療法の者59.2%、インスリン治療21.1%となっている。
  • BMIにより肥満度をみると20以下13.9%、25以上30未満25.6%、30以上の高度肥満は4.3%である。
  • タバコは、喫煙しない76.2%、1日20本以上40本未満12.1%、40本以上2.4%である。
  • アルコール(日本酒換算)を飲まない率は66.5%(男性43.2%、女性92.1%)、1合台かそれ以下24.6%、2合以上8.9%となっている。
  • HbA1cでみると6.5%未満は32.4%、6.5〜7.9%は40.6%、8%以上は27%で、HbA1cの高値例は比較的少ない。
 この他、糖尿病の罹病年数、コントロール状態、年齢別にみた治療法、治療法別にみた合併症など、多くの興味ある結果が報告されています。

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INDEX
  1. 厚生白書に見る糖尿病
  2. 糖尿病の患者数と医療費の推移
  3. 目で見る病型、病気のかたち
  4. 糖尿病食と減塩食
  5. 5分でわかる糖尿病
  6. インスリンを打つということ、食事を摂るということ
  7. 足がビリビリ? 神経障害
  8. 糖尿病ネットワークを担当して
  9. 『糖尿病からの帰還』を読んで
  10. 眼鏡をかけるとよく見える?
  11. 糖尿病の方が加入できる保険
  12. 糖尿病と人工透析(1999)
  13. 長時間、飛行機に乗る際に
  14. 高血糖は高血圧や高脂血症より、健康上の問題として認識されにくい
  15. インスリン誕生の地
  16. GOLD・たばこ・糖尿病
  17. 「糖尿病ネットワーク」開設5周年
  18. 食後3時間以上経過して血糖値200以上の人の頻度、ほか
  19. 超速効型インスリンは、山を削って谷を埋める
  20. 尿糖を調べてみよう
  21. 生活習慣病の一次予防に向けて
  22. “インスリンに頼る”という表現
  23. 民間療法
  24. 「日臨内研究2000」にみる、糖尿病性神経障害とわが国の糖尿病の実態
  25. 糖尿病の食事療法
  26. 雑感『生活エンジョイ物語』
  27. 血糖値の情報量
  28. 女性糖尿病患者はどこに?〜性差と病名について〜
  29. 気になったセールストーク
  30. インスリン療法を続けて50年 第1回「リリー インスリン50年賞」表彰式
  31. 糖尿病患者として世界で初めて南極点へ到達 ウイル・クロスさん
  32. 糖尿病とたばこ
  33. 旅行者血栓症
  34. インスリン療法を続けて50年
  35. 糖尿病患者さんの年末・年始の過ごし方