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18. 食後3時間以上経過して血糖値200以上の人の頻度、ほか
2001年06月
〜第5次循環器疾患基礎調査から〜

 さきごろ厚生労働省から「第5次循環器疾患基礎調査」の結果の概要が発表されました。糖尿病に的を絞った調査ではありませんが、心臓病や脳卒中の危険因子として糖尿病(血糖値)に関係する数値もあげられています。

 なお、調査の対象は30歳以上の男女8,369人で、血圧や血糖値、体重などの身体状況については、平成12年度の国民栄養調査と同時に行われたものです。

■随時血糖値で「糖尿病型」と判定される人は、男性3.0%、女性1.8%

 まずは「糖尿病型」と判定される人の頻度です。今回の調査は食後3時間以上経過した時点での検査値、つまり随時血糖値により判定されています。結果はグラフのとおりです。女性より男性のほうが糖尿病型の頻度がやや高い傾向や、高齢者ほど糖尿病型の頻度が高くなることがわかります。

【補足】
 男性3.0%、女性1.8%という数字は、一般的に知られている糖尿病人口よりもかなり低い数値です。これは、食後3時間以上経過した時点という、血糖値がそれほど高くない時点の血糖値を用いた結果と考えられます。糖尿病の診断基準では、確かに随時血糖値で判定する場合200mg/dL以上のときに糖尿病型とされるのですが、食後3時間以上経過した時点の検査だけでは、糖尿病の人でも糖尿病型と判定されなかったのではないかと思われます。

 なお、この調査は平成12年の国民栄養調査と同時に行われたものですが、今年3月に発表された平成11年国民栄養調査の結果概要では、食後3時間以上経過した時点の血糖値が110mg/dL以上の場合を「高血糖」として扱っています。そのときの高血糖の頻度は、以下のとおりです。

食後3時間以上経過した時点で血糖値110mg/dL以上の人の頻度
(平成11年国民栄養調査より)
男性
年齢(歳)20〜2930〜3940〜4950〜5960〜6970〜
高血糖の頻度(%)4.27.012.219.230.136.6
女性
年齢(歳)20〜2930〜3940〜4950〜5960〜6970〜
高血糖の頻度(%)5.17.411.218.630.242.4

■過去1年以内に血液検査を受けたのに、血糖検査の結果を忘れてしまった人が4割近く

 血液検査を過去1年以内に受けた人のうち、そのときの血糖値を覚えている人は男女とも約25%と、4人に1人にとどまります。検査値までは覚えていないけど判定結果なら覚えているという人は、男性37.7%、女性35.7%で、男女とも残りの4割近くの人は、検査の判定も忘れてしまっているということです。とくに30代の人に結果を覚えていない人が多く、半数近くに及びます。

■病院で受けた検査の結果は忘れやすい?

 血液検査を受けた場所と検査結果の認知度の関係では、人間ドックで検査を受けた人は結果をよく覚えていて、反対に、医療機関で血液検査を受けた人は、結果をよく覚えていないという傾向がみられました。


■血糖値が高い人で「医師から食事指導や運動指導を受けたことがある」と答えた人は半数足らず

 これまでに医師から「糖尿病である」あるいは「血糖が高い」と言われた人のうち、過去1年間に非薬物療法(食事指導・運動指導)を受けたことがあると答えた人は、46.3%でした。同様に、高血圧と言われた人のうち非薬物療法を受けた人は28.6%、コレステロールが高いと言われた人では36.0%でした。

 高血圧や高脂血症に比べれば、糖尿病の場合、食事療法や運動療法の指導が行き届いていると言えますが、それでも2人に1人は「指導を受けていない」と答えています。今回の調査では、このような状況の理由にまでは触れていません。医師が指導していないのか、あるいは指導しようにも患者さんが病院に行かない(来ない)のか、それとも検査結果の認知度の場合と同様に、指導されているのに患者さんが忘れてしまっているのか、本当の理由は何なのでしょうか。

■男性は20年間、全世代で太り続けている

 昭和55年(1980年)、平成2年(1990)、そして今回の平成12年(2000年)の調査結果からBMIの推移をみてみましょう。男性はすべての世代で太り続けていることがわかります。一方女性の場合は、高齢者は太る傾向が続いていますが、60歳未満の方はやせる傾向にあるようです。

 このほか、この調査では、糖尿病で経口薬を服用している人、インスリン治療をしている人の頻度などを調べています。

●関連情報
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INDEX
  1. 厚生白書に見る糖尿病
  2. 糖尿病の患者数と医療費の推移
  3. 目で見る病型、病気のかたち
  4. 糖尿病食と減塩食
  5. 5分でわかる糖尿病
  6. インスリンを打つということ、食事を摂るということ
  7. 足がビリビリ? 神経障害
  8. 糖尿病ネットワークを担当して
  9. 『糖尿病からの帰還』を読んで
  10. 眼鏡をかけるとよく見える?
  11. 糖尿病の方が加入できる保険
  12. 糖尿病と人工透析(1999)
  13. 長時間、飛行機に乗る際に
  14. 高血糖は高血圧や高脂血症より、健康上の問題として認識されにくい
  15. インスリン誕生の地
  16. GOLD・たばこ・糖尿病
  17. 「糖尿病ネットワーク」開設5周年
  18. 食後3時間以上経過して血糖値200以上の人の頻度、ほか
  19. 超速効型インスリンは、山を削って谷を埋める
  20. 尿糖を調べてみよう
  21. 生活習慣病の一次予防に向けて
  22. “インスリンに頼る”という表現
  23. 民間療法
  24. 「日臨内研究2000」にみる、糖尿病性神経障害とわが国の糖尿病の実態
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  26. 雑感『生活エンジョイ物語』
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  31. 糖尿病患者として世界で初めて南極点へ到達 ウイル・クロスさん
  32. 糖尿病とたばこ
  33. 旅行者血栓症
  34. インスリン療法を続けて50年
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