日本イーライリリーは、世界糖尿病デーに合わせて、インスリン治療を50年以上継続している糖尿病患者に敬意をあらわし顕彰する、第18回「リリー インスリン50年賞」の受賞者を発表した。
インスリン治療を50年以上続けている患者を顕彰
第18回「リリー インスリン50年賞」
日本イーライリリーは11月4日に、インスリン治療を50年以上継続している糖尿病患者に敬意をあらわし顕彰する、第18回「リリー インスリン50年賞」の受賞者12名を発表した。受賞者には、院内表彰サポートセットと、本人の名前を刻印したトロフィーが贈られた。
「リリー インスリン50年賞」は、インスリン治療を50年以上継続している糖尿病患者を称えるために、米国でイーライリリー社が1974年に設立した。これまでに米国を中心に1万4,000名以上の患者が受賞している。日本でも2003年より表彰が開始され、これまでに184名の患者が受賞している。
受賞者は、50年以上にわたるインスリン治療の道のりを振り返りながら、家族や医療従事者など、周囲の人々への感謝や、他の糖尿病とともに歩む人々への励ましのメッセージなどを語った。
第18回「リリー インスリン50年賞」 受賞者のコメントから
「小学3年生で発症した時、製薬会社に勤務していた父から"目が悪い人が眼鏡をかけるのと同じ、注射をすれば健康な人と同じだから心配するな"と言われたことを覚えています」。
「同僚に病気のことを理解してもらうのは簡単ではありませんでしたが、まず心掛けたのは自分自身の心がオープンであること。そうすることで気持ちが楽になり、仕事と治療に専念できました」。
「入院した病院で出会った先生の大きなお力添えがあり、無事に男児を出産しました。糖尿病患者は子供を持てないと言われた時代、出産は人生の大きな転機になったと思います」。
「これまで内科、循環器科、眼科、心臓血管外科、泌尿器科、透析室でお世話になった先生とスタッフの方々には感謝しかありません。今の主治医も心のあたたかい先生です」。
「サマーキャンプに参加して"具合が悪い時は我慢しなくていいこと"、"どんなことがあってもインスリン注射をやめてはいけないこと"を学びました。サマーキャンプで学んだこと、先生との出会いが治療の日々を支えてくれました」。
「1歳9ヵ月で発症した当時、注射器はガラス製で煮沸消毒が必要でした。この50年で、使い捨てになり、針の細いペン型やポンプになり、注射のストレスは格段に減りました」。
「朝・昼・晩、医師の指示通りのインスリン量を注射していましたが、1986年までは自分で血糖測定することができず、コントロールが非常に難しかったです。医療の進歩によって改善されていく治療法が、大きな励みとなりました」。
「今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、いつも以上に大変な思いをされ、不安な日々を過ごされている方も多い中、皆様の治療継続のご努力に心から敬意を表します」と、日本イーライリリーでは述べている。
「受賞された方々が、インスリン治療を継続するすべての糖尿病とともに歩む方々に勇気と希望を与え、治療に前向きに取り組む上での目標となることを願っています」としている。
インスリン療法は50年でめざましく進歩した
インスリンは、1921年にトロント大学のフレデリック バンティングとチャールズ ベストによって発見され、1922年に世界ではじめて糖尿病患者に投与された。
この画期的な薬を世界中の糖尿病患者に届けるべく、リリーは豚の膵臓から抽出した高濃度インスリン溶液製剤の大量生産を実現した。
米国イーライリリー社が1923年に世界ではじめてインスリンを製剤化してからまもなく100周年になる。
その後、インスリンは医療現場に急速に広まり、多くの糖尿病患者の命を救うとともに、ヒトインスリン製剤やインスリンアナログ製剤へ進化しながら、現在も糖尿病治療の進歩に大きく貢献している。
日本イーライリリー
[ Terahata ]