糖尿病の治療の目的は、血糖上昇を抑えることにある。そのために、初期糖尿病の時期にどのような治療を行うと有効かを調べる大規模な研究「JEDIS(早期糖尿病進展抑制研究)」が年内に始められる。
研究を実り多いものにするために、多くの糖尿病患者の協力が求められている。対象となるのは、新たに糖尿病を発症し、食後に高血糖になるタイプの人。
どうすれば合併症を予防できるのか?
JEDIS研究は、糖尿病がみつかってまだ間もない患者を対象に、どのような時期にどのような生活習慣改善をはたらきかければ血糖を改善できるか、また、糖尿病どのような薬物でどの病態の患者に治療を行えば最も効果的を明らかにすることを目的とした調査研究。こうした研究は世界でも例がない。
「JEDIS」のシンボルマーク
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日本人の2型糖尿病で多いのは、食後に血糖値が高くなるタイプ。糖尿病の検査では
経口ブドウ糖負荷試験を行い、2時間後の値が高いと「
食後高血糖」と判定される。治療を行わず食後高血糖を放置しておくと、血管の合併症(細小血管症)が起きる危険が高くなるので、食後の血糖値を改善することが大切だ。
JEDIS研究は食後高血糖に着目しており、
空腹時血糖値はそれほど高くないが、食後2時間値が高い早期糖尿病の患者を対象に行われる。
糖尿病になっても、発症後早期から治療をしっかりと行い血糖値の上昇を抑えれば、細小血管症が起きるのを予防できると考えられている。HbA1c値を6%から6.5%にしておけば、糖尿病の合併症が起こりにくいことが、さまざまな研究で分かっている。
早期糖尿病から薬物療法 効果を検証
そのために食事・運動療法に取組み、生活習慣を改善することが有効だ。研究では、参加者全員に食事・運動に取り組んでもらう。しかし、それだけではうまくいかない患者も少なくない。そのため、血糖降下薬による薬物療法を行う。少量の経口血糖降下薬を服用してもらい、合併症の進展を抑えられるかが調べられる。こうして糖尿病合併症の進展がどれだけ抑えられているかを、3年から4年ほどかけて調査していく。
JEDIS研究では、多くの糖尿病患者の参加と、医療関係者の協力が求められている。問合せはJEDIS事務局まで(電話03-3814-8010、E-mail
jedis@zg8.so-net.ne.jp)。
「JEDIS」は早期2型糖尿病を対象としている
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