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2021年10月13日

63歳で心筋梗塞を発症 心臓発作の症状は胸痛だけではない 健康的な食事で対策

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女性に多い非典型的な心筋梗塞の症状――AHAニュース
 現在63歳で米国ペンシルベニア州に住むKatherine Romanoさんは昨年10月、掃除中に首の痛みを感じた。がまんして掃除を続けているうちに、痛みは背中の上部に移動してきた。その痛みはとてもひどく、息切れも始まった。休憩しても楽にならず、痛みは左腕へと移動し、さらに吐き気を催し始めた。

 前日に腹痛がしたことを思い出し、憩室炎かもしれないと推測した。彼女には30年間、看護師として勤務したというキャリアがあった。かつて務めていた病院に車を走らせたが、途中で腰が痛みだし、めまいも加わり嘔吐した。

 医師は彼女に、「あなたは広範囲の心筋梗塞を起こしている」と告げた。しかしKatherineさんには、高コレステロール血症や高血圧、さらに心臓病の家族歴などのリスク因子がなく、彼女にとって心筋梗塞は全く想定外であり、診断をにわかに信じることができなかった。

 というのも彼女は、心臓発作で亡くなった夫、Ted Romanoさんの発作時の症状を間近で見たことがあるからだ。Tedさんは2011年に最初の発作を起こした。その時は、胸痛、呼吸困難、発汗といった、心筋梗塞発症時の典型的と言える症状が現れていた。

 「彼は胸の中央の痛みを訴えた。私の症状はそれとは全く異なるものだった」と彼女は振り返る。Tedさんは最初の発作の後、冠動脈3枝病変に対するバイパス手術、13回の心臓カテーテル検査を受けたが、2017年に睡眠中に起きた致死性の発作によって他界した。

 Katherineさんの場合は、病院到着後15分以内にカテーテル検査が行われ、続いて閉塞している左前下行枝に2つのステントが留置された。さらにバルーンパンピングにより心臓の働きを補助しつつ高度医療機関に搬送され、1週間かけて精密な検査が行われた。

 医師は、心筋梗塞が原因の心筋症と心不全と診断し、「あなたが生き延びられたことは、幸運だった」と告げた。

 Katherineさんは12週間にわたる心臓リハビリテーションを受けて日常生活に戻った。心臓の健康を維持する方法や、女性の心筋梗塞発症時の症状についても学んだ。

 発作の一般的な症状は胸痛だが、女性の場合は息切れ、吐き気、嘔吐、背中の痛み、あごの痛み、めまい、立ちくらみ、失神など、非典型的な症状だけが現れることもある。そのような場合、胃食道逆流症やインフルエンザ、あるいは「歳のせい」などと自己判断してしまいかねない。

 「かつての私はいつも自分が食べたいものを考えながら食材を購入していた。でも今は食品中のナトリウム量を意識して、買う前に必ずラベルを確認する」と彼女は語り、また週に数回運動をしているという。

 しかし夫の存命中は、夫の看病第一の人生だった。彼女の娘、Kristen Emeryさんは、ある思い出話を語る。「旅行に行った時、母は父の薬を日数分そろえて全て持って行った。ところが自分の下着を用意するのを忘れていた。母は常に父のそばから離れなかった」。

 Kristenさんによると、母親の心臓発作の体験は、母親ばかりでなくKristenさん自身の生活をより健康的なものにするきっかけになったという。彼女は今、ストレスをコントロールし、心臓にとって健康的な食事を心がけている。

 「人生が短命で終わってしまうことがある可能性に気付かされた。しかし、それに対して自分自身でできることがあることを、私は身近で見てきている」。彼女は、両親から引き継いだ心臓病の遺伝的素因が自分の娘にも及んでいると考え、子どもの食事にも注意している。

 Katherineさんも、自分の体験が娘や孫に良い影響を与えていることに喜びを感じている。現在彼女は、地元の病院の出版物や米国心臓協会(AHA)を通じて、ボランティアとして情報を発信している。

 その主要なメッセージは、実体験を通して学んだことだ。「体調が悪い時に、ただ不安がっていてはいけない。病院に行くべきであり、もし心臓発作の症状が現れたのなら、救急要請をすべきだ」。

[American Heart Association News 2021年9月29日]

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Photo Credit: Katherine Romanoさん(本人提供)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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