ニュース

2020年07月16日

2型糖尿病の兆候は早くも8歳であらわれる より早い段階での対策が必要

カテゴリーキーワード:
HealthDay News 糖尿病の予防
8歳で早くもみられる2型糖尿病発症につながる兆候
 8歳の子どもの時点で、成人期の2型糖尿病の発症リスク上昇の兆候が認められる可能性があるという報告が「Diabetes Care」7月号に掲載された。小児や若年成人の遺伝的リスクスコアとメタボローム(生体代謝物質)との関係を解析したところ、2型糖尿病の発症に関連する特有のパターンが認められたという。

 論文の筆頭著者である英ブリストル大学のJoshua Bell氏は、「われわれは、糖尿病が一晩で発症するような疾患でないことを知っていた。しかし、患者の人生のいつから疾患活動性の兆候がみてとれるのか、そして、そのような兆候はどのようなかたちであらわれるのかは知られていなかった」と研究の背景を語っている。

 2型糖尿病は高齢者に多い疾患ではあるが、同氏によると、その発症につながる兆候は糖尿病と診断される50年も前にすでに現れている可能性があり、「その兆候をキャッチできれば糖尿病に対してより早い段階で介入し、健康障害の発生を食い止める機会が広がる」としている。

 Bell氏らの研究は、1990年代初頭にブリストル大学で開始された「Avon親子縦断調査研究」の登録者を対象に行われた。8歳、16歳、18歳、25歳の約4,000人の血液サンプルを用い、メタボローム特性(リポ蛋白の粒子サイズによるサブクラス、トリグリセライド、アミノ酸など229種類)と2型糖尿病の遺伝的リスクスコア(162のバリアント)との関係を調べた。

 その結果、8歳時点での特定の粒子サイズのHDL-Cレベルと2型糖尿病発症リスクが有意に相関することが明らかになった。この変化は、動脈硬化促進因子であるLDL-Cを含む他のタイプのリポ蛋白コレステロールの上昇が現れる前に生じていた。

 その他にも、炎症や分岐鎖アミノ酸との関連が16~18歳時点で認められ、25歳時点ではVLDL(超低比重リポ蛋白)との強い関連が認められた。またこれらの変化は、成長とともに拡大していた。

 この研究結果の解釈についてBell氏は、「われわれは疾患の臨床的な経過を語っているのではなく、疾患感受性への影響について語っている。つまり、メタボローム特性に変化がみられた若年者が、すでに成人発症型の糖尿病に罹患していることを意味するものではない」とし、「人生の後半に糖尿病を発症する傾向がある人の、若年期に見られる代謝に関わる微妙な違いだ」と述べている。

 また同氏は「これらの研究結果は、糖尿病がどのように発症していくのか、そして、糖尿病とその合併症の発症を防ぐためにより早い段階で介入するには、どのような特徴が標的となりうるのかという疑問の解明に役立つ」と研究の意義をまとめている。

 さらに、血糖関連の健康障害は糖尿病と診断された患者のみに限らず、糖尿病予備群を含むより多くの人々にも、心血管疾患のリスク増大などの影響を及ぼすことから、早期介入の標的を明らかにすることの重要性を強調している。

[HealthDay News 2020年6月24日]

関連情報

記事原文
Abstract/Full Text
Press Release

Copyright ©2020 HealthDay. All rights reserved.

[ Terahata ]

play_circle_filled ニュース記事の二次利用について

このページの
TOPへ ▲